夜更けの路地裏。
少し飲み過ぎて妙なところに迷いこんだ。
はて、ここを抜けるには……。
…チリン……
どこらか鈴の音。
暗がりに眼を凝らして見ると、そこに一匹の黒猫。
ははん、さてはおまえさんも迷ったのかな。
黒猫は首を傾げて私を見たあと、踵を返してトコトコと歩き出す。
まるで誘っているかのように。
他にあてもなく何気なく着いてゆくことにする。
路地の奥のさらに脇道、地下へ続く階段。
黒猫は躊躇いもなくその階段を下りてゆく。
何かに誘われるように私も、地下の闇の中へ下っていった。
真っ暗な地下通路。
鈴が響く音だけを頼りに足を進める。
私は何をやってるんだろう。
なんだってこんなところに……。
「ようこそ、わたしのおみせに…」
え?
どこからか声がした。
振り返ると目の前が光で包まれた。
「お疲れの様子ね
よかったらここでゆっくりなさって
お酒もベッドもあるわ
どうぞあなたのお好きなように…」
☆*.+゚つづく…かもしれない₊˚* ੈ✩‧₊