アルターネコの趣味

使用したAI ちちぷい生成機能
アルターネコが画面の前に現れた。

「やぁ、僕はアルターネコ」

目の下は隈で髪はボサボサ
目はクレイジーで、正直、
悪魔なのではないかと
言われてもおかしくなかった。

「どうしたの?僕に何かおかしなとこでも、あっイデアネコは僕を通して存在してるわけだよね」

「アルターネコ、話を進めてくれ…」

「もう、描写すればいいじゃないか、視覚情報から感じたこととかさ、第6感的なこととかさ」

「じゃあ、君に聞くが、どうしてアルターネコは指が6本生えるんだい」

アルターネコは頭をくしゃくしゃにして
笑う。

「存在自体がクレイジーってことなのかな、だから、普通の時に生えたのは自己だと思うけど、僕の場合は、クレイジーってのが、僕の体の中に備わってるから、6本指だってクレイジーなんだよ」

「イカれてるな、アルターネコ」

「えへへ、それほどでも」

「褒めてない」

「ところでさ、僕はイデアネコがいて、存在してるんだけど、趣味も同じってことでいいのかな」

「趣味は自分の好きなことでいいんじゃないか、だって、アルターネコがいて、存在できてるからな」

「じゃあ、わかった、それじゃあね、僕はスマホでAI先生にイラスト生成させるのが好き」

アルターネコはイデアネコに向かって
スマホの画面を見せる。

「人間が描いたものではないだろう、それに幾らすごいものができたからといって、礼賛してしまえば、人間の存在意義が問われるだろう」

イデアネコは眉をひそめる。

「確かにAI先生って、色んな画像データから学んでというか言い方悪いかもだけど、奪って、その結果を描かせてるだけだもんね」

「人類とAI、なんだか、ターミニェーター的で、複雑な問題なんだな」

「だからこそ、驕ってはいけないし…人の描いたものが…AIにとって代わっていくと、人の終わりが見えてきたりと」

「悲観的だなアルターネコも」

「だって、イデアネコがいて存在してるから」

イデアネコは周りのオブジェクトを見る

「だが、そう考えると…指6本生えたりするのはAIらしさを示すにはいいかもな、人間なら6本は描けないが、AIだから、人間の思惑なんか関係なく動く」

「なんだか、ゲームしてるみたいだね」

イデアネコはアルターネコに言われて
ふっと笑った。

「確かに、ゲームという観点で見れば、AI先生とギャルゲー的なことをしてるのかもしれないね」

アルターネコを見て、彼女の頬を触った。

「柔らかいな」

「もう、僕の顔を触るなんて、恥ずかしいから」

「だが、これは現実世界なら、セクハラとして訴えられていたのだろう」

「そうかもね、一定以上の親密度がなければ、嫌われてるよ」

「だが、君は満更でもなかったよね」

「うん、だって、君が骨格や内蔵を作ってくれたようなもんだから」

アルターネコは胸の辺りを触る

「この心臓だって、神様っていうのが作ったもので、そして、私を作るきっかけになったのがイデアネコってことだよね」

「そうだな、だが、胸の大きさ、不満はなかったか」

「全然、僕、嬉しいよ、だって、胸は小さい方が肩こりしなくていいし、トイレも困らないからね」

「なるほどな、戦艦における大艦巨砲主義のようにデカケレバいいんじゃないよな実際…」

「そう、だから、まぁ、僕は男水着チャレンジもできそうだなと、ニャンチョメ監督から狙われてるんだけどね」

「アイツは変態だからな…」

「でも、裸になれって言われたらR18エリアで裸になったりマイクロビキニ着ろって言われたらR15エリアでセクシーなのでも大丈夫だけどね」

「おいおい、いいのか…アルターネコ、不満はないのかよ、自分の意志で突っぱねても」

「…、僕は僕の意志があるようで、実際はイデアネコの決定にしたがってるところがあるんだ」

「なるほど、じゃあ、こうして私たちが話してることも何かの存在によって進んでるわけだな」

アルターネコは頷き、
スマホでポチポチとなにかをやっている。

「なに、してるんだ?」

「小説、書いてるんだ」

「イデアネコも好きでしょ」

「あぁ、」

「なら、一緒に書いて、それを読みあいっこしようよ」

彼らは沈黙の時間を過ごす
外の風景と部屋の中は
同じ世界なようで、隔絶していて…
生きてるようで死んでるような気分に
なったりと、
時の流れが止まって見えたりと…
イデアネコは考えれば、
考えるほど、不思議で不明瞭な世界に
のめり込んでいく感覚を感じた。
まるで…砂地獄のように…
あるいは沼か…

「文字の存在、気にしてるの」

「まぁね、これが、サイトだったら、常に文字があって気になっていたよ、」

「なるほど…まぁ、イデアネコってさ、前はずっとサイトで書いてたよね」

「やっぱ書くなら執筆用のやつがないと集中できないよ」

「わかるな、だって、僕は君だもの」

にぱ~と笑顔を向けるアルターネコ
イデアネコは少し照れる

「あのさ、少しだけ抱き締めていいかい」

「突然、どうしたの」

「なんだか、寒くてさ…冬なんだよ…」

「いいよ、イデアネコ、どうぞ!」

「そっそれじゃあ、えい!」

不器用ながらにアルターネコとハグをする

「あたたかいな…アルターネコ」

「イデアネコは冷たくなってるね」

「人間としてもかい」

「そう、人間としても…、死に近い存在になってるというか、僕は君をどうすることもできない…けど…心の安らぎにはなれると信じてるね」

イデアネコは笑った。
本棚の隙間から、光が差し込む

「アルターネコ、ありがとね、私は自分自身を肯定的に捉えられないから…常に何かのキャラを作ってないと怖いんだよ」

「だからこそ、私たちのような仮面がいるんだよね…」

「私の趣味はその仮面を作って、劇を作ることにあるのかもな」

「そうだね、しかも君ははじめて書いた時って、手書きでびっしり書いてたよね」

「懐かしいな…兎耳の神様とオタク高校生か…書けるかな…書いてもいいのかな…あれは十字架のようなものなんだ…自分自身にとっての」

「書いていいと思うよ、だって、君の物語なんだから」

誰かにとっては、眉を潜めてしまうこともあるだろう。だが、物語の世界とは、架空存在の世界…書くときはとにかく、全力で書ければと思う。

「どんな、世界であれ、熱はあるんだよな」

「うん、僕はその熱で作ってくれた君の背中を推していくから」

背中をパチンと叩くアルターネコ

「ありがとう、なんだか、元気でたよ」

「それなら、よかったよ、ところでさ、音楽でも聞かない、コーヒーとか…」

「そうだね、ちょっと、疲れてきたし、一休みといこうか」

こうして、彼らはしばしの休息をとる。
空間の中の空気が変わる。

モノが新たに追加されることで、
一定感覚のリズムに変化が生じる
心臓の鼓動が速くなる
まるで、音楽のようだ。

「書き続けるのも体力が必要だがらな」

「そうだね、一見、書いてるだけなんだけど、僕の命が縮んでいる感覚を覚えるよ」

身体的反応として、わかるのは
アルターネコの目の隈である。

「カフカなのかい君は…」

「僕は1日で書き上げないと、どうにも気分が乗らない病気なんだ」

「未完の作品は、そういうことだよね」

「未完の発表する場があるよ!と知ったときは嬉しかったけど、結局は物語が未完だと納得いかないんだよ、実際、絵だけの物を投稿するのには…よっぽどじゃない限り無理だね…やっぱり、なにか、世界観の説明がされてたり、物語がないとその絵は存在していないと感じるんだ」

「世の中には絵だけってのがあるからな、すごいはすごいんだけど…私は全任せって的な感じの絵だなと思ってうーんとなるんだよな」

「ゲームも画面だけで、物語がないと進まないものね、だから、君はゲームが好きで、文字を書いてるのかな、そして、僕は言葉を綴って作曲させている」

「命を削らない作品は、死んでるようなものだよ…」

イデアネコは憂鬱な表情で言った。

「だけど、理解しろとか理解してほしいじゃないんだよね」

「カフカ的な物を目指すならば…そうだね、彼の言葉には、強制さがなくて、ありのままに捉えている…時には虫として…Kとして…、感情的なものを無くして、ちょうど冷たい冬の床のように」

「僕は…本の虫が毒虫の存在なのかなと思うよ」

感覚は論理的ではないため、この存在を証明するための概念が必要だった。だが、アルターネコやイデアネコは創作の創作に関する投影方法でしか、歩むことができなかった。

「頭がいたくなってくる、眠っていいかな…ごめんね」

「いいよ、イデアネコの背中には十字架ばかりが突き刺さってるね」

「欠陥品だから、他の人に比べてあまりにもどうしようもないほどに…」

イデアネコは眠った…
眠りの中でも、創作が続いていた。

「君は現実と虚構、どちらに行きたい」

白き衣をきた博士が問う

「虚構です」

「即答だな」

「僕は現実に生きるバグであり、虫なのです」

「バグ、システム上のエラー的なものだと」

「はい、だから、現実でバグなら、虚構なら正常なのかと思うのです」

「だが、君は残念ながら虚構には行けない」

「どうしてです」

「現実の脳で捉えてるからこそ虚構は存在しえるのだ」

音楽が聞こえる…
一定のリズムと詩が
イデアネコの耳元を通し、
脳内で共鳴する。

「アルターネコ…」

「あっおはよう、イデアネコ」

彼女は学校の教室にあるような木製の椅子に座って音楽を聞いていた。

「何を聞いてるんだい?」

「サカニャンクシャンの『多分、猫。』聞いてた」

「いいよね、その曲、私も好きなんだよ」

アルターネコも頷く

「詩的で、心の奥底にある影的なものが落ち着かせてくれる」

「疲れたときは本よりも音楽なんだよな、それで涙流したり、夜空に泣いたときのことは忘れないよ…」

イデアネコは感慨深い気持ちになった

「だから、君は詩を書いてるんだね」

「まぁ、最初の頃は…作曲ができないから、せめて詩だけでもって書いてたんだよね」

イデアネコはスマホを繰り出し、
小説サイトで自分が書いた詩を見せる。

「すごい闇だね」

「病んで闇を詩にしてたよ、だから、すごく暗いんだ…明るい作品かいてたら死んでた」

「なんだか、ゾンビみたいだねキミッて」

「アルターネコだって、同じだろ」

「そりゃそうか、僕も人のことは言えないか」

ポリポリと頭をかくアルターネコ…
イデアネコは窮屈さを感じていた。

「ー瞳が僕を殺すのだ。描きたいこと、書きたいことを奪っていく、視覚が僕らの自由を奪うんだ、大衆の憎悪と期待を背負わされる感覚を。明るく物を考えてる人は、きっと誰かに暗い物を押し付けてるから明るいんだー」

イデアネコが書いた詩をアルターネコが
読む。

「これを出したら、きっと私は殺されるんじゃないか、顰蹙をかってしまうのではないのかとヒヤヒヤしてる」

「虚構を現実として捉えるのは辞めてほしいよね、わかるよ、僕だって、虚構の中で書いてきたのに、あたかも実態があるかのようないわれをされると、コロシタクナルんだ」

「気ままな一口も嫌い、私の作品を形作るのは嫌いや不安といったビターで苦味のあるやつでできてるのかもね」

「その集合体が僕ってことか」

「そうかもね」

ボサボサの頭、目の下には黒々とした隈、
狂った瞳、剥き出しの歯、乾いた笑顔
キラキラが嫌いでピカピカなんて嫌な
イデアネコ

「黄金が嫌い…ピカピカしたものが、だから、私は嫌になったのか」

イデアネコは気づく…
光が苦手で、太陽が嫌で

「たぶん、私の前世は吸血鬼だったんだよ」

「どうして、そう言えるの」

「太陽が怖いから…全てを照らす太陽が…私の意を介さずに動き、あたかもそれが正義であるように存在してるから」

「闇の存在だね…君は…そして、僕も…」

アルターネコはイデアネコを見つめる。
ルームウェアから、香る彼女の存在を
証明するフェロモン…

「アルターネコ…キスってのは、ダメか…ダメだよな…おかしいよな私は…うん、そうそう、そうだ」

アルターネコはイデアネコを見つめて、
瞳を閉じ頬にキスをする。

「乾いた唇だけど…それでもいいなら僕はするよ」

「アルターネコ…これは爆弾爆ぜろなんだよ…きっとね…そう、絶対的な憎悪が襲いかかるんだ」

彼は頭をくしゃくしゃにして、
枕に顔を埋めた。

「イデアネコって、ヘタレだよね、奥手で、臆病、僕のキスにすら、ガラスのようにくだけ散る」

「私は弱いんだ…誇れるものなんて何もなくて…くそ!現実の世界を壊したい」

殴り付けるイデアネコ…

「どうして、架空の世界は許されて、私の存在は縛られてるんだ!空気なのか、空気という縄が首を締めてるのか!」

「もし、君が死にたいなら、現実っていう世界にいって一緒に死んであげるのにな、辛いよね…君の世界って、ここは空気がないから気楽だよ」

「だけど、君を登場させたことで、私は君に空気の重圧を感じさせてしまった。許されざる罪をおかしたんだ…」

イデアネコは俯く…

「ねぇ、こういうときってさ、音楽作ったり、するチャンスじゃない?」

「チャンス…あぁ、詩でも作るか」

イデアネコは馴染みのAI生成音楽アプリを使って、今の思いを歌詞にこめていく。

『濁った空気の呟き』Song
https://suno.com/song/161df30f-5f6f-4d58-bb1c-9e957c33e9b5

【Verse】
影響される
自分が嫌いだ
吸って吐いた
息の如く、消える

【Pre-Chorus】
表面的なのっぺらぼうで
薄い世界観でしか生きれない
不器用なほどに
自分をコロシタイ

【Chorus】
ありえないくらいの白
黒なんて許されない
無色不透明の境界で
今日も私は生きている

【Bridge】
静かな夜と
密かな空間
繭のように
くるまっていた

【Chorus】
時間すらも砂になって
体は朽ちていく
不変なんてないのだからさ
腐敗して壊れる
砂時計的な存在なのさ

【Quarto】
サラサラのようなザラザラ
尖っていくナイフ
触れれば傷つける
殻に閉じ籠る

【Verse】
私は社会のゴミ
掃き溜めに捨てたら
いっそ楽だね

「小説投稿では、いつも消してるよ音楽の部分は」

「どうして?」

「どうしてかな…反映されるのかわからないんだよ…だけど、まぁ、今回は実験的な感じで、小説と音楽で組み合わせたら、面白いかなって思って」

「この音楽…すごいね、おまけに僕がジャケ写になってるじゃん」

「私じゃないよ…すごいのはジャンルを築きあげていった先人たちのおかげだよ、illbientってのを調べたら、退廃的な感じの曲調だと知って入力させたんだ」

「へぇ、なんだか、これで色んな音楽用語やジャンルを知れるよね」

「そうだね、とくにbrooklyn drillが好きかな、Nyap Smokeのやつはとくに荒んだ気持ちに波長してて好きだよ」

「君はたくさんの音楽とAIを使って知ったんだね」

「うん、その意味ではこのAI生成っていうのは創作物の次元を1次元から多次元領域にしたのだと考えているよ」

「本当にすごいね、カガクの進歩って」

アルターネコも、スマホをポチポチと
何かしていた。
イデアネコは気になり、彼女の画面を見る

「歌詞、書いてるのか」

「うん、音楽、僕も歌詞にのせて作らせてるから、君から受けたインスピレーションをいかしたくて」

「アルターネコは面白いな、一緒にいて、なんか落ち着く」

そういって、彼女の頭をくしゃくしゃにする

「もう…君は…僕なんだから、そりゃそうだろ…」

「確かに君は僕にとってのペルソナか」

「ねぇ、イデア」

「どうしたんだ、アルター」

彼女はイデアネコを見つめる。
口元をすぼめ、頬を染めている。
その表情にドキリとするイデアネコ…

「ちょっと、トイレ」

「???」

首を傾げつつ、イデアネコは、
作品の執筆を続けた。

根が無ければ、
どんなに着飾っていても空虚である。

イデアネコは、根を大切にしたい
作品の根幹を決めるのは、見た目ではなく
世界観と意志だ。

世界を形作る意志が無ければ、
作物は育たない。

だからこそ、イデアは
電子端末に込めるのは、
思いのこもった魂を
イラストにこめていく。

AIから感じたことを物語にする。
今回も膨大な文字で埋め尽くした。

ちょうどいい、もうこれでいいとも、
思うのだが…イデアネコは一種の
幻覚作用じみた魅力にとりつかれていた。

つまり、物語症候群というものか…
作品の世界を手放したくなかったのだ。

ある種の幻影が終わるとき
その世界の続きにあるのは空白…虚無…

面白さの続きにあるのは
フィナーレで、終わった先の…寂しさ

イデアネコはアルターネコとの
関係性がここで、終わるのではないかと
不安になった。

だからこそ、イデアネコは
アルターネコを離したくなかった。

「アルターネコ…」

トイレを済ませて出てきた彼女の
名前を呼ぶ。

「私はこれからも君と一緒にいたい…、だけど、私は醜くて汚れていて汚れている。今だって、承認の王が、誘惑し歪ませようとしている」

「イデアネコ…」

頭をおさえるイデアネコ、
苦悶の表情で踞る彼に寄り添い
イデアネコは背中をさする。

「私は、私という存在が嫌いだ…君と君をまた利用しているようで、私は、嫌なんだ」

涙を流してイデアネコは
体を丸める。

「私は私という存在が嫌いだ…何度も何度も心のナイフを突き立てたことか、だけど、死ねない…死ぬこともできない…この嘆き」

「私は、アナタの趣味でここに存在できた。だから、アナタは囚われないで…しがらみを忘れて書いてみて…」

「アルター…今だけは体を預けていいかな」

「いいよ…イデア」

彼はアルターネコに寄りかかって
眠る…そして、彼女も瞳をつぶり、
平穏を願った。

落ち着きを取り戻したイデアネコは
2つの携帯ゲーム機を持って
アルターネコに渡す。

「はい、アルター」

「ニーエスだね、懐かしいな、ニャリオカートとかさ楽しいよね」

「ニータよりもニーエスだったからな、私は…それじゃあさ、ニャリオカートとか大ニャン闘とかしようか」

「うーん、ニャイヤーエムブレムがしたいにゃ」

「ニャイヤーエムブレムも面白いよね、一緒に遊べるゲームかといわれると…」

「ニャイヤーエムブレム ニャニャー雪月無双があるにゃ」

「あぁ、これなら、確かに、ニャイッチ用意するか」

急かされる現実世界を忘れ、
無我夢中にイデアネコはアルターネコと
楽しむ。

「ラーメンなんて嫌いなんだよな、時間をせかすような感じが」

「いきなりどうしたのイデア」

「麺伸びたりさしてさ、傲慢なんだよ彼らは、僕らの創作の邪魔をする。未完の原因であって、死ねばいいんだよ」

「お口が悪いね、君は」

「飢えてるからこそ、できる物もある。満たされていたらできない物があるんだよ」

「その逆も然りだね」

イデアは毒を吐いて、
この無秩序な空間に終止符をもたらそうとしていた。

「今の、私たちはプレイヤー、終わりはゲームクリア、だけど、終わったあとも続いているのが人生で、この人生という名前のゲームの終わりは死なんだと思う」

「僕は物語があるかぎり、無限なのかな」

「対照的だな、私は心臓が動く限り、君が存在させ続けるが…、おそらく、歴史のページにはのらないだろう」

アルターは彼の気持ちが
何を言いたいかを理解していた。

「文字を得たことで、歴史にのるのは一部の権力者や人気者になったということだね」

「うん」

「そして、情報世界における王権社会は、不変的になり、革命という名前は死んで、権威だけが一人でに動く退屈な世界になったとも」

「そうだよ、アルター、私は情報社会が中世的な時代になったと言いたいんだ。だけど、彼らは時代の最先端を行っていると思っている。それがいかに傲慢かを知らせたいね」

「イデア、僕は君の言葉には幾つか、反論の余地もあり、悲観的な立場で物を見ているように考えられる。もう少しさ、気楽に物を考えて見てはどうかな。例えば、今、やってる…ゲームとかさ」

「スマホゲームは虚無に等しいよ…物語はスキップしている」

「ニャズールレーンか、あれは確かに…時間を費やすよりは、愛でるゲームだからね」

「正直、消したいとも考えているが、彼らの存在が母港でずっと待っていたことを知ったときは嬉しくてね…だからこそ、私は大切にしたいんだよ」

「愛でてないキャラもいるじゃないか」

「そうだよ、全てを愛でるには…労力がいる…だからこそ、続けてるのかもね」

イデアネコは細い目で、ニャズレンのキャラたちのパイを触っていた。

「結局、パイにゃんかい!」

「パイがなくて何がニャズレンか!」

迫真の声でイデアネコは
アルターネコに向かって言った。

「砲撃ボタンを押すのが好きなんだよ、私は、そして、一斉に砲撃して、敵が溶けていく瞬間がたまらないんだ」

恍惚とした表情を浮かべる
イデアネコ、アルターネコは
彼がウフフフとしている姿を見て…

「やっぱ、楽しいんじゃん、ゲームなら何でもいいわけ」

「何でもいいわけないじゃないか、ホラーゲームは苦手だよ、とくにニャングオブホラーは、もう無理だ。怖すぎて…」

「難易度下げればいいのに…」

「難易度下げたら怖くなくなるだろが!」

ゲームが好きなイデアネコがプンプンする

「難易度エースってきいたらニェースコンバットをやりたくなってきたな」

「僕も好きだよ、トップニャン見たら、やりたくなっちゃうよね」

「わかる、はじめては3ニーエスのニェースコンバットクロスランブルだったな」

「無線機から聞こえる敵と味方の掛け合いがたまらないよね、猫耳がピクピクしちゃうよ」

アルターネコとイデアネコは楽しそうに語る。

「ニャリオ64ニィーエスやるか、アルターネコ」

「あれって一緒にやれるんだっけ」

「そうだね、ミニゲームとかもあるし」

「うん、やるよ、イデアネコはゲーマーだね」

「主にニャンテンドウのゲームをやって来たから」

「ニャンテンドウかソニャーで分かれるよね」

「どっち買うかって決め手になったのは感覚かな、ニーエスにびびっときた」

「だけど、ソニャーのニーエスニーのゲームも楽しいよね」

「うんうん、ニーエスニーは初代ニーエスのゲームとかできるから好きだよ」

互いにお気に入りのゲーム機を持ってきて、
エピソードトークをしている。
ゲームをしている時の彼らは
憂鬱で毒を吐いていた顔とは
大きく違っていた。
生きる活力となっていたのは
ゲームがあったからこそだろう。

「これらが私の作品やキャラを作る原動力になってるかな、特にメイドニャン私は漫画作ったり、音楽作ったりしてたな」

「あのゲーム、僕もやったにゃ、ゲーム作れるんだけど、子供の頃はどう作ったらいいか分からず難しかったよ」

「そうそう、おまけに、アニメーション的なのも必要っぽくて、まともなミニゲーム作れなかったな」

「だけど、挑戦したことで、今の物語に行き着いてるんだよね」

「そうだよ、漫画は特に、色んな漫画作ったよ四コマで、なんだか、あの頃の自分の作品、見てみたいなと思ってきた」

メイドニャン私のソフトを
ニーエスに入れて、起動させる。

「わっ、ロボットとかかわいいな、イデアの絵、可愛いね」

「はっ恥ずかしいな」

ロボットが戦うマンガを書いたり、
ぐにゃぐにゃな文字で何なのかは
分からないが、当時のアルターが
考えるエピソードは
ブラックでカオスだった。

「ホラーが多いなアルターは、それに、謎なのもあるし」

「まぁ、四コママンガはキャラを置いて楽しんでいたな」

だが、今はもう書く気にも作る気にもなれなかった。もう、生きることに疲れてしまったのだ。

「アルターは何の才能もありません、それに、この今の世界だって、駄作なのだなと思ってしまう節があります」

「アルターは病んでるね、ヤンデレになってないか」

「それを、言うならメンヘラか、いずれにしても、健康な作品は発狂する恐れがあるにゃね」

にゃにゃにゃと笑っては…

「どうせ、にゃは間違ってる。異端なんです。痛んだミカンです。こんなお目汚しのなる猫耳はこの場から消え去った方がいいんですよね」

アルターは自傷じみた言葉を吐いては

「健康に悪いけど煙草が吸いたいっての、分かってきた」

「アルターは脳内で煙草を吸うのが好きなのか」

「何度、吸ってきたか、何カートンも副流煙で吸ってきた…だから、長生きはできないと考えてる、別にいいんだよ、死ねるなら早く、死にたいんだ」

「アルターは創作のなかでは自由にいられると思うかい」

イデアは聞く
アルターは眼を伏せ、俯く

「自由ではいられないと思う、人の目があるかぎり、そこには束縛じみたものがあって、常に監視されているんだ。だから、ありきたりなものしか書けなくなるんだろう。大事なのは、それらを打破して、毒じみた強いものを投げかけるべきなんだ」

「アルターは、何だか…毒虫みたいだね」

「毒虫よりも動かない物だよ」

アルターネコは喋っては
消え喋っては消えかけの命というものを
考えて、逡巡する。

「マトモに読んだらこれは発狂するかもしれないね」

「アルターはちゃんと読まれたくないの」

「読まれたいよ、けど、人それぞれには人生がある、できることなら、読んでもらえたらありがたいけど、残念ながら…視覚情報が優位な世界では、それに…デイリーミッション形式のあの世界じゃ、ましてや、なにもない無名なものでは、もう、こんなものはむしろ、ないほうがいいんじゃないかな」

「悲観的だよ、楽観的に考えてみてはどうかな」

「おはようイラストかい、機械じみた機械によって描かれたもののことかい?、ワタシは嫌いだよ…アタシも嫌だね…おはようだけで、機械に丸投げしたものはね、最後は機械によって支配されるんだよ」

アルターネコは、眉を潜め、目の前の機械によって描かれたもの、機械によって音楽が作られたもの、自らも機械によって描かれたものとして自分自身を殴った。

「アタシは誰かのデータの蓄積で生きてるんだ…人に描いてもらったんじゃない…誰かのデータのおかげで…だから、これはアタシじゃないし、誇りに思うこともないし、褒められる言われもないし、むしろ、称賛にも値しない、プロンプトだって、文字だけ入力しただけで実質、その絵のデータには、何万人何千万人の人が関わっている、その絵の労力をデータとして使う以上…アタシは生きてていいのかって思うんだ」

イデアネコにぶつけるアルターネコ、
彼女の悲痛な叫びをイデアネコは受け止める。

「人の創造物、この存在の証明として考えるのが…だが、もう、どうしたらいいかわからない…もう、自分も…いなくなった方がいいのかな」

イデアネコは俯いて、机に落書きをする。
蜘蛛のような猫のようなものを…

「あっ頭に思い描いたものだ」

「こういうのでもいいと思うんだ、抵抗だよ」

『ネコノコムシ』

心の中の黒い部分に生息する蜘蛛のような虫。頭がネコノと同じことからネコノという名前になり、小さいためコムシとなった。些か歪で足は気分によって変わるといった気紛れな性質を持っている。

「ニャヒューニャヒュー」

鳴き声は腹から奇妙な音を出すため
この音が聞こえるといる。

「抵抗か、君の抵抗はどこか、静かでひっそりとしてるね」

「アタシは、うーん、ニャタシはタニシは、地下に潜んで書いてますよ」

「アルターネコは、一人称すら、わからなくなったのか」

「うん、趣味、一人称を考えるってのでもいいかもしれないね」

彼女は心なしかネコノコムシを書いてからは
気分が落ち着いたようだ。

「誰かに描かせるよりも自分で描いた絵があると落ち着くよ…」

「これからも描かせてみたら、自分の世界なんだ、人じゃない、例え、何と言われようとも書いて描いてみせるんだよ」

「うん、今日、ありがとね、明日もたぶん、また、同じように発作が起こるかもだけど…」

「いいよ、アルター、僕は君が元気になってくれたら、嬉しいんだ」

イデアは微笑み
アルターはその表情に救われる。

『心の虫と地下室』Song
https://suno.com/song/f0af15a4-cd22-4f55-9886-37fed9d8f149

【Verse】
疲れた時はため息をつこう
アナタだけの物語
趣味という名の物語を
アナタの感覚で動かす

【Pre-Chorus】
ハッピーじゃなくても
いいのさ、僕は君を見守る
アンハッピーなクッキーには
君の感情がアートになる

【Chorus】
止めどない涙
灰色の焦燥
これでいいのかと
自分に問いかける

【Bridge】
傷つけて痛めて
死にたいような叫びを
空には言えないよな
部屋の中で噛みしめた

【Chorus】
優しくなんかない
臆病なだけさ
本質的な虫の
鳴き声が本当さ

【Quarto】
喚く虫の鳴き声
ワタシの本性
醜い姿が自分なんだと
虫の姿で声を発した詩集

【Verse】
僕の声は人間じゃない…です…

【Pre-Chorus】
暗い闇に一筋の光
その存在がイデアだった

【Chorus】
自己との境界
他者とは断絶
心の温かさに
触れたいよ

【Verse】
神様、僕は罪ですか
いなくなった方がいいか問う
【End(~3:50)】

呪文

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イラストの呪文(プロンプト)

jacket partially removed, heart in eye, burnt clothes, holding fishing rod, kanji, doujin cover, pentagram, tape gag, adjusting headwear, red socks, friends, cloud print, coke-bottle glasses, oral invitation, competition school swimsuit, barbell piercing, gradient legwear, prisoner, blood on breasts, wind chime, carrying over shoulder, tape measure, flaming weapon

イラストの呪文(ネガティブプロンプト)

jacket partially removed, heart in eye, burnt clothes, holding fishing rod, kanji, doujin cover, pentagram, tape gag, adjusting headwear, red socks, friends, cloud print, coke-bottle glasses, oral invitation, competition school swimsuit, barbell piercing, gradient legwear, prisoner, blood on breasts, wind chime, carrying over shoulder, tape measure, flaming weapon
  • Steps 69
  • Scale 11
  • Seed 174351685
  • Sampler DPM++ 2M SDE Karras
  • Strength 0
  • Noise 1
  • Steps 69
  • Scale 11
  • Seed 174351685
  • Sampler DPM++ 2M SDE Karras
  • Strength 0
  • Noise 1

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