「皆さん、こんにちは、お昼の情報番組ヒマナン屋です。今回のゲストは名無権兵衛さんとジェーン・トワさんにお越しいただきました」
「こんにちは、あの、寝てる人たちは起こさなくても…」
「大丈夫です、恒例行事になってるので」
「いいなぁ、私も昼寝がしたくなってきましたZzz」
「ジェーンさん!寝ないで、退屈かもしれないけど、番宣までは寝ないで!」
「うっ、まぁ、いいでしょう、それでは進めましょうかね、では現場のマルバツアナ」
「Zzz、いい夢だぁ~ポテト、堅あげポテトを帰ったら食べるんだぁ~」
「…VTRをどうぞ」
ヒマネノゾムは苦労している。
だが、もう人類はAIにとってかわられて
やる気が減退していたのだ。
アナログ人間のヒマネノゾムは、
昨今の若者が夜遅くまで起き、
昼に寝るという昼夜逆転生活の背景に、
AIのせいだとかんがえ、憎んでいた。
「くそがぁ!」
台本を投げつけて、水分を取る。
「ふぁー、ねむ、ヒマネさんは真面目やね」
「今じゃAIの方が面白いですからね、自分の見たい聞きたいコンテンツを作ってくれますから…人間の時代は終わったんですよ…」
スタッフたちはこの世を諦観した視線で、ヒマネを見つめていた。