【郷土通信】地元気象台はこのほど、雨野原地方が梅雨入りしたと発表した。平年より9日遅く、昨年より11日遅いという。

雨野原市の通称「アジサイ通り」では、約100本のアジサイが色づき始め、雨の音とともに梅雨の到来を告げている。そんな雨野原の初夏を語るうえで欠かせないのが、手のひらに青い光を灯す「露使い」こと雨霧青乃さん(28)の姿だ。

雨霧さんはこの季節、会社帰りにアジサイ通りを歩くのが日課となっている。近所で魔導書店を営む渡辺進さん(54)は「青ちゃんがここを通ると、なんだかほっとすると、いつも女房と話しているんですよ」と目元を緩ませる。地元の人たちの話によると、雨霧さんが雨の日にアジサイへ手を向けると、じんわり青白い光が現れ、街の空気がほのかにやわらぐという。地元の小学生の研究では、彼女が光を灯すことでアジサイの色が隣町より鮮やかになるとされている。

雨野原市郷土資料館によると、露使いの力は梅雨の季節だけ発動するとの言い伝えが残るが、詳しいことは分かっておらず、今も研究が続けられている。雨霧さんは「昔からこの季節とアジサイの色が好きなんです。光は自然と集まってきて、私自身も落ち着きます」と静かに語った。(雨野原市報道室・小道由香里)

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