【うちの子紹介補足⑥】れいかのこと

使用したAI その他
最後のうちの子自己紹介補足は、6番目に生まれたキャラクター「れいか」です。
今回もAIによる自己紹介と思ったのですが、自己紹介という枠には収まりきれず、短編小説にしてみました。
文才は全く無いので、手元にあるストーリーをGeminiに整えてもらい、再修正・加筆をしています。
ちょっと長くなりすぎましたが…。興味がある方はぜひ読んでみてください!
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私の名前は、月見里玲香(やまなし れいか)。高校1年生。

月見里と書いて「やまなし」。

「月が美しく見える里には山がない」──この名字の由来だ。

そんな私の家系には、 古くからの言い伝えがある。

「心に起伏を作らず、平坦であれ。さすれば本質が見える」

父の口癖でもあった。

父は厳格な人で、自分の意に沿わない言動があれば、 容赦のない叱責が飛んできた。

幼い頃から私は、 父の期待に応えようと本音を隠し、 笑顔を貼り付けて生きてきた。

友達の輪にも入らず、いつも一人で勉強ばかりしていた。

親の書いた線をなぞるだけの毎日が、次第に、私の輪郭を薄くしていった。



中学一年の秋、父の転勤で転校した。

初日、黒板の前に立ち、担任に促されても言葉が出てこなかった。

「好きなことは?」

その質問に、頭の中が真っ白になる。

鏡に映る「正しい私」以外の言葉が、見つからなかったから。

教室の空気が冷たく固まる。

そのとき、後ろの席から大きな声が響いた。

「れいかちゃんの髪、めっちゃきれい!」

声の主は、日溜心陽(ひだまり こはる)。

明るい茶髪を無造作に結んだ、お日様みたいな笑顔の女の子だった。

彼女の一言で、教室の緊張がふっと緩んだ。私はようやく息を吐いた。



それから心陽は、私の日常を容赦なくかき乱した。

一緒に帰る途中で「玲香って、いつも完璧すぎて疲れない? 本当の気持ち、言ってみて!」

と聞いてきたり、

昼休みに、「漫画読もうよ! これ超面白いから!」と、半ば強引に誘ってきたり。

最初は面倒だった。心陽の明るさが、眩しすぎて、少し苛立った。

それでも、彼女の隣にいると、誰からも期待されていない「私」が、少しずつ顔を出した。



ある日、心陽が漫画を貸してくれた。 漫画を読むのは、初めてだった。

主人公は長い黒髪の、クールな女の子。私と顔立ちは似ているのに、

彼女は誰にも揺るがない信念を持っていた。どんな敵にも立ち向かい、迷わない。

ページをめくる手が止まらなかった。心陽に全巻借りて、夢中になって読んだ。

最後の一ページを閉じたとき、胸が熱く締め付けられると同時に、焦りが込み上げてきた。

──この物語の中には、私がいない。

主人公の強さが、羨ましくて、少しだけ苦しかった。

それでも、ページの余韻が消えなかった。

「……私も、こんなふうに誰かの心を動かしてみたい」

そう思ってしまった自分に、戸惑いながら。

けれど、実際に描こうとは思えなかった。

真っ白な紙が、私の内面を映しているようで、怖かった。



ある日の放課後、心陽が私の横に腰掛けた。

「玲香、漫画どうだった?」

「……眩しかった。主人公みたいに、強くなりたいと思った」

「それで?」

目を輝かせて聞いてくる心陽につられて言葉が漏れた。

「……描きたい。でも、描けない。空っぽな私には、描く資格なんてない」

心陽はすぐには答えず、少しだけ視線を落とした。

「……ね。わたしさ、夢があったんだけど、わたしには無理だって諦めてたんだ」

静かな声だった。

「一緒に勉強しているとき、わたしが何度も同じ間違いをしても
玲香は何も言わずに、わからないところを一緒に考えてくれたよね……」

顔を上げて、私を見る。

「そのおかげで、自分の夢を信じてみようって思えたんだ。

……玲香は空っぽだって言うけどさ、じゃあ、あの優しさはどこから来たの?」

少し照れたように笑って、続けた。

「……だからさ、描いてみて。うまくなくても、迷ってても。玲香の話、わたしは読みたい」

その言葉は、胸の奥で、静かに熱を帯びていった。



その夜、両親に決意を打ち明けた。

「漫画なんて時間の無駄だ。勉強に集中しろ!」

父の叱責が飛ぶ。今までの私なら、黙って受け入れていただろう。

でも、今は違った。

「私、ちゃんと頑張ってきたよ。でも……これだけは、どうしても譲れない。これが、私の本当の気持ちなの」

歯向かう私に、父は一瞬驚いた顔をして、そのまま長い沈黙が流れた。

やがて、絞り出すような低い声で言った。

「……そんな顔を、していたのか」

その瞳に、一瞬だけ、父自身の抱えてきた孤独が映った気がした。

「……すぐには、理解できない。 だが、成績が下がらない限り、反対はしない」

完全な和解ではなかった。 それでも、私は初めて、自分の意志を曲げずに、その場に立っていた。



高校生になり、私は地元から離れた進学校を選んだ。父の期待を背負いながらも、自分の道を歩くために。

心陽は地元の高校に進んだ。別々の学校になったけれど、

週末に一緒にカフェで過ごす時間が、今も私を支えてくれている。



深夜の静かな部屋で、私は机に向かう。

窓から差し込む月光が、

机の上の白い紙を照らしている。

私はもう知っている。

この光が、私ひとりのものじゃないことを。

あの日、心陽がくれた言葉。

胸の奥に残ったまま、今も消えずにいる。

ペン先が、紙に触れる。

真っ白な紙に、私は一本目の線を引く。

描かれていくのは、

それぞれの道を歩む、二人の少女の後ろ姿。

その行く先には、

まだ名前のない、やわらかな明るさが、静かに滲んでいる。

呪文

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