――家族が“どう反応するかを、まだ選べる”回――

夕方。
日が傾き、部屋の中の影が少し長くなる時間。
青ぽにちゃんの家では、
まだ夕飯の支度には早く、
テレビもついていない、
いちばん無防備な静けさがあった。
その時だった。
コン、と。
玄関の戸が、内側からではなく、外側から鳴った。
一度きり。

◆ 来訪者
ドアを開けたのは父ではない。
母でもない。
青ぽにちゃん自身だった。
そこに立っていたのは――
頭に麻袋を被った、背の高い男。
顔は見えない。
声も出していない。
ただ、
片手にカップ麺を一つ、
差し出している。

◆ 家族の反応は、まだ未確定
ここで世界線は、分岐点に立つ。

◇ 母の視点
母は一歩、前に出る。
「……お腹、空いてます?」
これは警戒ではない。
確認だ。
麻袋の男は、
わずかに、ほんのわずかに、
首を縦に振る。
この時点で、
彼は「侵入者」ではなく、
訪問者に留まっている。

◇ 父の視点
父は後ろに回り、
青ぽにちゃんの肩に手を置く。
守る位置。
だが、閉め出す位置ではない。
「ここは、子どもがいる家だ」
それは警告でもあり、
境界線の提示でもある。
麻袋の男は、
一歩も踏み込まない。

◇ 青ぽにちゃんの視点
青ぽにちゃんは、
じっとその手にあるカップ麺を見る。
「……それ、
 まだ食べてない世界線のやつだよね?」
誰にも教わっていない言葉。
だが、青ぽにちゃんは知っている。
麻袋の男は、
初めて――
何も言わずに、肯定する仕草をした。

◆ 子どもぽにの反応
妹は、母の後ろから半分だけ顔を出し、
「……このひと、
 こわいひと?」
と、聞く。
ここで重要なのは、
誰も答えを強制しなかったこと。
母は言う。
「まだ、決まってないよ」

◆ 境界の維持
青ぽに博士は思う。
これは怪異ではない。
選択を求めている存在だ。
麻袋の男は、
中に入ろうともしない。
去ろうともしない。
ただ、
「どう扱われるか」を
家族に委ねている。
-------------------------------------
麻袋おじさんは、
恐怖の象徴ではありません。

彼は、
「反応が管理に回収される前の、最後の来訪者」です。

逃げてもいい。
拒んでもいい。
話してもいい。

ただ一つだけ、
彼が嫌うのは――

最初から、選択を放棄すること。

そして、
子どもが逃げなかった夜は、
多くの場合、
その家に“未来がまだ余っている”証拠なのです。

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