「身体が輪郭を失い世界と溶け合う。それは決して体を蝕む病ではないらしい。あまりに強い心象が視覚化されたる、儚くも美しい現象だという──それを、私は恋の終わりのようだと言った。」



病名:泡花溶解症候群
まるで終夏の茜色に心奪われるように、切ない恋心や郷愁が一定より強くなると身体に影響を与えて自我が曖昧になる。そしてまるで輪郭を失うように体を透過させ、時に泡となって儚く弾け、時に花びらとなって鮮やかに舞い散りゆき、やがて透過部分が世界と溶け合う奇病。しかしそれは命を蝕む病では無いと今は分かっており、発症者の心象が刹那的に視覚化されている不思議な現象である。
ただし、現在でも完治させる治療法は解明されていない。

呪文

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