翌朝・火野神社
朝日が境内を照らす。
制服姿の未麗と乱麗が玄関へ向かう。
未麗は少し眠そうに目をこする。
未「ふぁぁぁ……。」
乱「昨日のみちる先生、容赦なかったね(笑)」
未「でも楽しかったよ!」

未「今日は体育がプールなんだ♡」
乱「未麗、水泳好きだもんね。」
未「うん!」

未「体操部だけど、水泳は昔から大好き!」
嬉しそうにスクールバッグを肩に掛ける。
乱麗はニヤリと笑う。
乱「でも先生……。」
未「?」
乱「はるか先生。」
未麗が固まる。
未「……。」

未「Σ( ̄ロ ̄lll)ガーン!!」
乱「今日もスパルタかも(笑)」
そこへレイ。
レ「二人とも。忘れ物ない?」

レ「水着。タオル。体操服。」
未・乱「は~い!」
レイは小学生組にも声を掛ける。
レ「麗馬。馬未。」

レ「姉ちゃんたちについて行きなさい。」
麗「は~い!」
馬「は~い!!」
四人は元気よく神社を出ていく。
レイは笑顔で手を振った。
レ「いってらっしゃい!」
四人「いってきまーす!」
その日。
未麗は久しぶりのプールを楽しみにしていた。
乱麗も、麗馬も、馬未も、いつもと変わらない朝だと思っていた。
そして学校でも――
はるか先生も。
みちる先生も。
亜美先生も。
まだ誰一人として気づいていなかった。
今日のプールに、何かがおかしいことを。
静かな水面は、まるで何事もないかのように朝日を映していた。

中学校・職員室
夏休み前。
窓から強い日差しが差し込む。
今日はプール授業。
教師たちは教材や笛、出席簿を準備していた。
亜「今日は一年生も合同ですね。」
み「ええ♡」

み「事故だけは気を付けないと。」
はるかはプール用のホイッスルを首に掛ける。
その時だった。
……。
はるかの表情が変わる。
は「……。」
亜美も手を止める。
亜「……?」
は「水野。お前も感じるか?」
亜美は目を閉じる。
胸騒ぎ。
水の気配。
そして、どこか禍々しい力。
亜「……何か、変です。」
みちるも窓の外を見る。
み「私も感じるわ。変身ペン、ちゃんと持ってきてるわよ♡」
そう言ってポケットを軽く叩く。
はるかも静かに頷く。
は「水野。準備だけはしておけ。」
亜「……はいっ!」
三人は何事もないように職員室を出ていく。
更衣室
一方、生徒たちは賑やかだった。
未「今日は久しぶりのプールだぁ!」
友達と笑いながら着替える。
しかし。
ロッカーの扉を閉めた瞬間。
ゾクッ……
未麗は思わず肩を抱く。
未「……?今の……何?」
窓の外を見る。
ついさっきまで真夏の青空だった。
まぶしい日差し。
照り返すプールサイド。
そのはずが――
いつの間にか空は、ゆっくりと紫色へ染まり始めていた。
風も止み、校舎全体が静まり返る。
未麗は胸のペンダントにそっと手を当てる。
未「……妖魔?」
その予感を抱いたまま、更衣室の扉を開き、プールサイドへ向かって歩き出す。
そして同じ頃、はるか、みちる、亜美も、それぞれ変身ペンを忍ばせながらプールへ向かっていた。
誰もまだ、この日のプール授業が学校全体を巻き込む戦いの始まりになるとは知らなかった。

呪文

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