さてさて皆様、お立ち合い。
今宵お届けいたしますは、
講談界に吹き荒れる珍事の嵐、
その名も「居眠り講談師・談みすず」の一席にござい!

時は令和、場所は浅草・雷門前の講談席。
この日も高座に上がるは、今売り出し中の若手講談師、談みすず。
その語り口、艶やかにして鋭く、
とりわけ忠臣蔵を語らせれば、涙をさそう名調子!

ところが――。

「では皆様、『大石内蔵助討ち入りの段』、始まり始まり〜……」

張りのある声で開幕したその瞬間、
客席がどよめいた。

「……あれ?」「動かないぞ?」

なんと談みすず、
開口一番、木魚の音とともに――ウトウト、コックリ……。

居眠りしとるではございませんか!

枕(導入)の途中で夢の中。
講談師が語らず、夢の筋書き追う始末!

お客は困惑。
しかし、そこは芸の町・浅草。
ある者はスマホでそっと録画、
またある者は「これもネタか?」と拍手喝采!

舞台の袖では師匠がそっと呟く。
「こやつ……ついに“寝落ち芸”に手を出しおったか……」

しかし、目を覚ました談みすず、
目をこすりつつ堂々と続ける。

「――さて、夢の中の大石内蔵助、
 その足取りは、なぜか渋谷のスクランブル交差点へ!」

まさかの夢オチ講談、始まる始まる。
現実と夢が交差する、幻想的な討ち入り譚!

これがまた評判を呼び、
「寝ながら語る肩出し講談師」として再ブレイク!

今やチケットは完売御礼、
「居眠りタイムが本番」と噂される、
伝説の講談師――その名も談みすず!


・・という講談中に居眠りをしてしまった過去を自虐ネタで話す談ちゃん(肩出しがち)

呪文

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