謎の暗がりへと続く道

赤上小織（赤髪兄）「……………これは……一体どういう事だろう…？」
赤髪兄こと赤上小織くんは今起きている現象の意味が分からず混乱した頭のまま呟いていた。
小織「あ…ありのまま…今起こった事を話すぜ！俺は奴の前で脇道へ入ったと思ったらいつの間にか出ていた……　何を言ってるのか分からないと思うが俺も何をされたのかわからなかったんだ……そして俺は、いつの間にか奴と手をつないでいたんだ……おかしいだろ！俺は奴の前を歩いていたのに……それに…はじめ俺は学ランを着ていたはずなんだ……学校からの帰り道だったんだからな！だが！俺はいつの間にかセーラー服を着ていた！そして、あろうことか俺の後ろを歩いていた奴が学ランに着替えていたんだ！ヤツは最初あきらかにコロポックルっぽい服装だったのに！何で奴が俺の学ランを着ているんだ！？それに何で学ランの色が変わっているんだ！？あと、それとそれと……奴の服は何処へ行ったんだ！？そんでもってそんでもって！……このセーラー服は一体何処から出てきたんだ！？もう……俺には訳が分からねえ！……頭がどうにかなりそうだぜ………」
そんな事を捲し立てた小織くんだったが、そんな彼の手を握っている学ランを着た青い髪のコロポックルは笑顔のまま手を離そうとしない。
コロポックル「ミーミー！ウマウマ！」
そう言って何やら指さしており、小織くんのことをそちらに引っ張っていこうとしている。
小織「コイツ……一体何処に連れて行こうとしてるんだ……？」
もしかして人ならざる者の集まるヤバい世界に連れて行こうとしてるんじゃないかとゾクッとする小織くん。
もっとも、人ならざる者の世界では納涼祭やったり夏祭りやったり海水浴やったりしているので意外と平和なのだが……。
とにかくそんなちょっとビビっている小織くんがコロポックルに引っ張られること………３０秒。
イヤ！目の前かい！
そう、今小織くんたちの目の前にはたこ焼き屋の屋台が……。
コロポックルはそのタコ焼きの屋台を指差し「ウマウマ！ウマウマ！」とか言っている。
どうやら食べさせろと言いたいらしい。
小織「どんだけ厚かましいんだよこのコロポックル……」
小織くんはジト目になりながらもタコ焼きを買ってコロポックルにあげました。
コロポックル「ナ～ナ～！ウマウマ！」
コロポックルはさっそくタコ焼きを一つ頬張ってホフホフ言いながら食べると、笑顔で挨拶をしてそのまま何処かへ行ってしまいました。
小織「なんだったんだ………」
疑問に思う小織くん。
実はコロポックルが小織くんに寄ってきたのは同じコロポックルであるコロポックル赤髪お兄ちゃんズくんたちが原因なのですが………小織くんはそこまでは知る由もありませんでした。
というか………。
小織「あ！アイツ俺の学ラン持っていきやがった！………って言うかそもそも俺がセーラー服のまんまじゃんか！も、元に戻してけよ～！」
しばらく探し回った小織くんでしたが、結局コロポックルは見つかりませんでした。
諦めて帰ると、何故か学ランだけ帰っていました。
赤上志織（赤髪母）「あんたなんか制服だけ帰って来たんだけど一体どういうこと？…………って言うか、その格好は一体どうしたの？」
小織「………訊かないで母さん……」
どうやらセーラー服はコロポックルからのタコ焼き代だったみたいです。