隊長:「神の繭」の分析はできましたか?
隊員:それが~その~
隊長:どうしたのですか?ずいぶんと歯切れが悪いですね。
隊員:「神の繭」を紛失してしまいました。
隊長:なんですって!!!
隊員:嘘です。
隊長:あなたバカなの?首がとぶわよ?
隊員:はっ、失礼しました。(敬礼)実はですね、繭があまりに固く傷一つ付けられないため、分析用のサンプルを作れないのであります。更におかしなことに、極わずかですが繭の形状が変化しているようなのです。
隊長:四角が三角に変わったとか、そういうことですか?
隊員:いえ、そんな大胆な変化ではありませんが、ザックリ申し上げるとそういうことになります。分析チームの中には、神の繭が生物であることを示唆する者もおります。
隊長:生き物だから形が変化する、というより形が変化しているから生き物だと?なるほど、確かに地球にも金属の性質を持った生物がいるわね。
隊員:はい。おっしゃる通りです。ただ今の所は生き物ではなく生命体とさせてください。で、さらにですね、物体(神の繭)の温度が常に一定で、まるで恒温動物のようなのです。おおよそですが、45度前後を示しています。
隊長:状況はわかりました。生命体と断定せず、引き続き調査をお願いします。
隊員:はっ!(敬礼)