蔵で見つけた日本人形を…

毎日心を込めて磨いていたら、ある日突然魂が宿ってダウナー系甘々お姉さんに！？
ここから始まるオネショタライフ！

◆◇序章◇◆
直也が祖父の蔵であの人形を見つけたのは、夏休みの初日だった。学校が休みに入ると、祖父から手伝いを頼まれるのが毎年恒例だったが、今年は蔵の整理だった。蔵の片隅で見つけた木箱の中から現れたのは、長年の埃と汚れに覆われた日本人形。

長い黒髪は絡まり、白い顔は汚れで曇っていた。それでも、かすかにのぞく赤い唇と冷たいガラス玉のような瞳に、彼は不思議な美しさを感じた。古びた蔵にぽつんと取り残されていたその人形に、直也は何ともいえない感情を抱いた。気味悪さもあったが、それ以上に「かわいそうだ」という気持ちだった。

「これ、捨てるのはもったいないよ。家に持って帰ってもいい？」

祖父は少し驚いた顔をしたが、「好きにしろ」と一言だけ返した。

直也の部屋に人形がやってきてから、毎日のように彼はその手入れをするようになった。最初に手を付けたのは髪。絡まった黒髪を一本一本ほぐし、きれいに櫛を通す作業に時間をかけた。埃を払い、湿らせた布で汚れを落とすたび、黒髪が次第に艶を取り戻していくのが楽しかった。

次は顔だった。汚れを落としていくうちに、その白い肌が少しずつ現れる。その作業は、どこか人形に命を吹き込んでいるような感覚があった。人形の無機質な表情が、どんどん生き生きして見えるように感じられたのだ。

「なんでこんなに綺麗なのに放っておかれたんだろうな。」

彼は人形を見つめながら、ひとりごちた。気がつくと、部屋に戻るたび人形に話しかけるようになっていた。学校から帰った後、何気ない日常のことや今日食べたアイスの味を語り、人形をそっと撫でる。それが次第に習慣となっていった。

一週間、二週間、そうして人形に触れる日々が続くうち、直也はその存在がどこか心を落ち着けてくれることに気づき始めた。学校で友達とうまくいかず、モヤモヤした気持ちを抱えた日も、人形の前に座るとその感情が和らいでいく。無言の人形が、彼を優しく受け止めてくれている気がした。

そして、最後に取り掛かったのは着物。埃まみれだった黒い着物は、きれいに拭き取られて本来の艶を取り戻した。赤い帯紐も整えてやると、そこにはまるで新しい人形が座っていた。静かに微笑んでいるようにも見えるその表情に、直也は思わず心が温かくなった。

そうして三週間が過ぎたある夜のこと。いつものように寝る前に人形を撫でていた直也は、妙な感覚を覚えた。人形の肌がどこか温かく、柔らかさまで感じた気がしたのだ。

「気のせい…だよな？」

彼はそう自分に言い聞かせながらも、その感覚が気になって眠りに落ちるのに時間がかかった。

しかし、次に目を覚ました時、直也は信じられない光景を目にすることになる。彼の枕元には、長い黒髪をさらりと垂らした女性が座っていた。黒い着物を纏ったその姿は、確かに彼が磨き続けていた人形そのものだった。

「おはよう、僕くん。」

柔らかな声が耳に届く。その声には、どこか怠惰な甘さが滲んでいた。彼女は、初めて会うはずの直也を知っているような表情で微笑む。

「き、君、もしかして…」

「うん、僕くんが心を込めて綺麗にしてくれたから、こうして動けるようになったんだ」

彼女は静かに彼の頭に手を乗せた。その指先は驚くほど滑らかで、ひんやりしているのに温かさを感じる不思議な感触だった。

「……これから、僕くんには少しだけ付き合ってもらうよ。まずはお礼、しないとね」

彼女はそう言って、小さくため息をつきながら微笑んだ。その表情にはどこか物憂げな甘さと、抗い難い不思議な魅力が宿っていた。

(小説創作: ChatGPT)
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