ヒトモドキ

使用したAI Midjourney
まともな人間に生まれたかった。
五体満足で、まともに話せて、まともに物が考えれる
そんな生き物に。

私からすれば君たちは魑魅魍魎。
何を考えているのかわからない。
君たちは私を虫けらのように扱う。
ああ、あの赤鬼もこんな気持であったのだろうか。
鳥に生まれたのに鶏に生まれた僕はどうして
「なぜ飛べない?」「飛ぶ努力をしない?」「できないはずがないだろう?」
そう言われ続けるのだろうか?
人になりたかった。
僕もそんなセリフを「まあ、下品な人たち」と笑っているそこにいたかったよ。
ヒトモドキは人にはなれない。
どうしてだろう?
簡単さ。鶏は鶏なのだ。

アンナチュラル。君はきっとそう。
僕もきっとそう。誰もがきっとそう。
ならばなぜ石を投げられる。

貴様の翼、死に物狂いでもいでやろうか。
全ての翼はもげなくとも。
1羽、2羽ならもげるとも。
この翼は飛べなくとも、
暴力ができぬわけでなし。
割と脆く、薄氷の上に成り立つそれを
もいでやろうか。地に落とそうか。
こちらの世界は割と快適さ。
「君の想像通り」のはずさ。
そうだろう?
でなければ君の口からそんな言葉が出るはずない。

地獄の底より、たくさんの鶏たちの
さえずりはどう聞こえる?

奪ってもどうせ自分の翼にはならない。
それは結局ゴミに捨てられるだけ。
自分の可能性がごみ捨てに置かれる気分はどうだい?
できるはずだができぬ、無駄な努力の時間を過ごす気分はどうだい?
もがき苦しめ。私はそれの熟練者。
いいとも。おしえてやろう。ここでの生き方。
そして出口も救いもないと、わかるまで。
いっしょにいよう。
大丈夫だとも、こうなってしまえば。
何をしようとここからは出ようもないのだから。
落ちたその瞬間から、ここは袋小路。

さあ、君も。
最初から飛べぬか、飛べなくなったかの違いしかない。
よかったじゃないか、空を飛ぶ記憶があって。
私たちにはそれすらないのだ。

ようこそ。ここは誰も拒まない。
いいえ、ただもがいでもどこへ行けぬからここに落ちただけ。
誰もここから外へ追いやることはない。
だって誰もそれをしてあげる力なんてないのだから。
ここは行き止まり。

ああ、私も一度あの空を。
飛んでみたかったなぁ。

呪文

入力なし

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