お義兄ちゃんの夏休み
エアコンの効いた部屋で、ゲーム機のコントローラーを握りしめているのは、お義兄ちゃん。
Tシャツとジーンズ姿でソファに腰かけ、画面に夢中になっている。
「お義兄ちゃん、掃除と買い出しお願いねー」
背後からの呼びかけに、彼は顔も上げずに答える。
「んー」
「私、これから出かけるんだからね。お願いだからね」
「んー」
口では返事をしながらも、視線は一ミリたりとも画面から外さない。
それを見た美優ちゃんは、深いため息をつきながらも、玄関へと向かっていった。
──パタン。
玄関の閉まる音が響く。
その瞬間、ソファの上のお義兄ちゃんはニヤリと笑った。
「ふっふっふ……これで邪魔者はいなくなった……!」
テレビの音量を少し上げ、姿勢を正す。
完全に“戦闘モード”に入ったその顔は、まさに真剣そのもの。
「うおおおおおおおお!!」
「そこだ!! 魂の16連射ぁ!!」
「やったーーーっ!!」
──時は流れ──
時計の針は、昼過ぎから夕方へ。
陽射しがだんだんとオレンジ色に染まり、カーテンの隙間から差し込む光も優しくなっていく。
ゲーム画面には、すでに何度目かのエンディングロール。
空になったペットボトル、テーブルにはスナック菓子の袋。
完全に“やりきった男”の顔でソファにぐったりと沈むお義兄ちゃん。
「ふぅ……全ルートクリア……完全勝利……!」
「いやー、今日はめちゃくちゃ満喫したなー!」
──その時。
背後から、異様な気配が漂ってきた。
ゴゴゴゴゴ……
冷たい風が吹いた気がして、思わず肩をすくめる。
そして、背筋を凍らせる声が部屋に響いた。
「お・に・い・ちゃ・ん……?」
背後に立っていたのは、鬼の形相の美優ちゃんだった。
震え声で振り返るお義兄ちゃん。
「あ、あら……美優ちゃん……お、お早いお帰りで……?」
微笑みすら浮かべていないその顔に、ただならぬオーラを感じ取る。
「お義兄ちゃん、頼んでおいた家事はどうしたのかなぁ?」
「あ、えーと……えーと……」
美優ちゃんは一歩、前に出る。
「お義兄ちゃん!!」
──このあと、めちゃくちゃ怒られた。
呪文
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- Steps 30
- Scale 7
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- Steps 30
- Scale 7
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