ひぐらしの声がする。

彼女は水をかけられた時の僕の様子を思い出し、くすくすと笑っている。
「楽しかった。」

僕もつられて笑う。

しばらく話しているうちに、日が沈んできた。

「おばさんたち、帰ってこないね……。」

おばさんたちが帰ってきたら家に帰ろうと思っていたので、僕は気になって彼女に尋ねた。

「今日は遅くなるって言ってた……。」

彼女は畳にごろんと横になりながら、ゆっくりと答える。

「帰っても大丈夫だよ……。」

急に眠気が来たらしく、とぎれとぎれの言葉になっている。

「え、じゃあ、一人で留守番になっちゃうじゃん?」
軽く言ってみたが、返事はない。

彼女はすっかり眠ってしまったらしい。

彼女がこのまま一人で眠ってしまうのは心配で、
僕はしばらく居ることにした。

夕日が沈んでいくところを眺めていると、
彼女の寝息が静かに聞こえた。

ぼんやりと、その寝顔を見つめた。

僕の胸の奥が、少しくすぐったくなる。

ひぐらしの声が鈴虫に変わり、あたりがだいぶ暗くなった頃、
彼女がゆっくりと目を開けた。

「……いてくれたの?」

まだ眠たそうな声で、僕を見上げる。

「心配だったから。」
僕は照れくさくて、目をそらしながら答えた。

彼女はしばらく僕の顔を見つめて、それから、ふわりと微笑んだ。
「ありがとう。」

暗がりの表情が、なんだか妙に綺麗に見えた。

続き
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物語の最初
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呪文

  • Steps 18
  • Scale 5
  • Seed 3545937597
  • Sampler Euler a
  • Strength
  • Noise
  • Steps 18
  • Scale 5
  • Seed 3545937597
  • Sampler Euler a

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