中学校・朝の廊下
始業前。
生徒たちで賑わう校舎。
教室へ向かう未麗の前から、体育教師のはるかと国語教師のみちるが歩いてくる。
は「火野、おはよう。」
み「おはよう♡」
未麗は元気よく頭を下げる。
未「おはようございます!」
は「どうだ。今晩も組手、やるか?」
未「もちろんです!ママも『今日もやる』って言ってました!」
み「ふふっ♡レイちゃん、すっかり乗り気ね。」
みちるは昨夜のことを思い出して笑う。
み「それにしても……。昨夜のらんまくんの写真。かわいかったわねぇ♡」
未麗は胸を張る。
未「自慢のパパです!」
はるかも思わず笑う。
は「完全に燃え尽きてたな(笑)」
はるかは表情を引き締める。
は「じゃあ、放課後。体育教官室で打ち合わせをする。」
未「はい!」
は「今夜の組手は。私以外、誰もプランを知らない。だから火野。内緒だ。」
未麗は少し驚く。
未「水野先生にもですか?」
みちるは人差し指を口元へ。
み「ひ・み・つ♡」
はるかは真剣な表情になる。
は「敵は何をしてくるかわからない。だから、訓練も予測できない状況を作る。場合によっては……。味方が攻撃してくることだってある。」
未麗は驚きながらも頷く。
未「わかりました!」
そこへ、教材を抱えた亜美がやって来る。
亜「はるか先生、みちる先生、火野さん。おはようございます!」
三人は一斉に振り向く。
は「ああ、おはよう。」
み「おはよう♡」
未麗も笑顔で挨拶する。
未「おはようございます!」
はるかは未麗に小さく目配せする。
は「じゃあ、火野。今夜な。」
未「はい!」
二人はそのまま歩き去る。
その後ろ姿を見送りながら、亜美は首をかしげる。
亜「……?」

亜「今夜?何のお話だったんでしょう……?」
亜美はまだ知らない。
今夜の組手が、自分たちの"チームワーク"をさらに試す、新しい訓練になることを。

放課後・体育教官室
ドアを閉めるはるか。
机の上には一枚の封筒。
は「今夜の仮想敵は……私だ。」
未「えっ!?はるか先生!?」
は「そうだ。怖いか?」
未麗は少し考えてから笑う。
未「……ちょっと怖いかもです(笑)」
みちるがメイク道具を取り出す。
み「そのためにね。私は洗脳されたように見えるメイクをするの♡」
未「えぇっ!本格的ですね!」
は「今日も最初はますみさんが敵役だ。」

は「みんなもそう思って動くだろう。」

は「だが――途中で、本当の仮想敵が私になる。」
未麗は目を輝かせる。
未「うわぁ!面白くなりそうです!」
み「私はね♡混乱して、はるかを守る役。」

み「みんなは『みちる先生まで!?』って思うでしょうね。」
未麗は思わず笑う。
未「絶対びっくりします(笑)」
は「目的は一つ。味方だと思い込まないこと。」

は「敵だと決めつけないこと。状況を見て判断する力を養う。」
未麗は真剣に頷く。
未「はい!」
はるかは封筒を差し出す。
は「これが台本だ。お前だけ読んでおけ。」

は「ほかのみんなには絶対に見られるな。」
未麗は両手で大事そうに受け取る。
未「はいっ!」
みちるは微笑みながら付け加える。
み「今夜はね♡亜美ちゃんも、レイちゃんも、らんまくんも、本気で驚くと思うわ。」
未麗は封筒をバッグにしまい、わくわくした表情で教官室をあとにする。
未(心の中)「今日は……みんなをびっくりさせちゃうんだ。」
今夜の組手は、誰も予想しない展開で幕を開けようとしていた。

呪文

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