秋の森。落ち葉の絨毯に散らばる栗のイガは、太陽の光を浴びてほのかに金色に輝いている。
黄ぽにちゃんは小さな手で、ひとつひとつ大事に栗を拾い集めていった。

「ほら、見て! 森がこんなに分けてくれたよ」
そう言って籠を見せると、仲間たちの目が丸くなる。籠の中はすでに溢れんばかり。

しかし黄ぽにちゃんは欲張らない。
「みんなで分け合わなきゃ、森も寂しがっちゃうからね」
そう言って、余った栗を森の根元に戻すのだ。まるでお礼をするかのように。

その夜、焚き火を囲んで仲間たちと栗を焼く。
香ばしい匂いと甘みが口いっぱいに広がると、疲れも不安も溶けてしまう。

仲間のひとりがつぶやく。
「黄ぽにちゃんって、いるだけで豊かになるね」

彼女は笑って答える。
「わたしは森や大地の一部だもん。みんなが笑顔になったら、それがいちばんの実りなんだよ」

焚き火の炎が揺らめき、黄金色に照らされた黄ぽにちゃんは、まるで秋そのものを象徴する女神のように輝いていた。

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