麻袋地蔵
使用したAI
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第一章|袋を背負う者
むかし、
雪深い山裾の村に、
袋を売る老人が住んでいた。
袋といっても、
穀物袋ではない。
古い麻で編まれた、
何を入れても形を変えない袋だった。
老人は言った。
「これは運ぶための袋ではない」
「世界が零れないようにする袋だ」
だが村人は買わない。
役に立たぬと笑った。
年の暮れ、
老人は袋を売りに町へ出たが、
一つも売れなかった。
帰り道、
峠の雪道で立ち止まる。
そこには――
六体の地蔵が並んでいた。
第二章|傘の代わりに
雪は激しく、
地蔵たちは凍りついていた。
老人は考えた。
「袋を売れなかったのは、
まだ袋が“必要な場所”に
届いていなかったからだ」
老人は持っていた袋を、
一体ずつ、
地蔵の頭に被せていった。
五つで袋は尽きた。
最後の一体には、
何も残らない。
老人はしばらく考え、
自分の着物を脱ぎ、
裂いて、
簡素な覆いを作った。
それを被せ、
深く頭を下げて言った。
「完全でなくて、すまない」
地蔵は何も答えない。
老人は村へ帰った。
第三章|夜の訪れ
その夜、
老人の家の戸を叩く音がした。
だが、
音は外ではなく、
家の中から聞こえた。
戸を開けると、
誰もいない。
ただ、
床の間に
麻袋が六つ置かれていた。
袋は重くない。
だが、
開けようとすると、
手が止まる。
袋の外側に、
小さく印がある。
「これは贈り物ではない」
「預かり物である」
第四章|袋の中身
翌朝、
老人は袋を一つだけ開けた。
中には――
米も、金も、
宝もなかった。
代わりに、
**村の人々の“こぼれたもの”**が入っていた。
・言えなかった言葉
・やり直せなかった選択
・見なかったことにした過ち
それらは重くない。
だが、
放っておくと世界を歪ませるものだった。
老人は理解した。
「地蔵は、
善を与えたのではない」
「溢れを回収したのだ」
第五章|麻袋地蔵の役目
それから村では、
奇妙なことが起きた。
・争いが増えも減りもしない
・貧しさは消えない
・不幸も続く
だが――
誰も壊れなくなった。
人は転ぶが、
折れない。
泣くが、
戻ってくる。
村人は言う。
「あの地蔵は、
幸せをくれない」
「だが、
終わりを先送りしてくれる」
いつしか人々は、
あの六体を
麻袋地蔵と呼ぶようになった。
第六章|奪われない理由
ある者が言った。
「袋を奪えば、
中身は我らのものになるのでは?」
だが、
誰も手を伸ばさなかった。
なぜなら、
村人は知っていたからだ。
袋は、
持ち主を選ばない
だが、
背負った者からは離れない
麻袋地蔵は動かない。
裁かない。
祝福しない。
ただ、
世界の重さを、
一時的に預かるだけである。
むかし、
雪深い山裾の村に、
袋を売る老人が住んでいた。
袋といっても、
穀物袋ではない。
古い麻で編まれた、
何を入れても形を変えない袋だった。
老人は言った。
「これは運ぶための袋ではない」
「世界が零れないようにする袋だ」
だが村人は買わない。
役に立たぬと笑った。
年の暮れ、
老人は袋を売りに町へ出たが、
一つも売れなかった。
帰り道、
峠の雪道で立ち止まる。
そこには――
六体の地蔵が並んでいた。
第二章|傘の代わりに
雪は激しく、
地蔵たちは凍りついていた。
老人は考えた。
「袋を売れなかったのは、
まだ袋が“必要な場所”に
届いていなかったからだ」
老人は持っていた袋を、
一体ずつ、
地蔵の頭に被せていった。
五つで袋は尽きた。
最後の一体には、
何も残らない。
老人はしばらく考え、
自分の着物を脱ぎ、
裂いて、
簡素な覆いを作った。
それを被せ、
深く頭を下げて言った。
「完全でなくて、すまない」
地蔵は何も答えない。
老人は村へ帰った。
第三章|夜の訪れ
その夜、
老人の家の戸を叩く音がした。
だが、
音は外ではなく、
家の中から聞こえた。
戸を開けると、
誰もいない。
ただ、
床の間に
麻袋が六つ置かれていた。
袋は重くない。
だが、
開けようとすると、
手が止まる。
袋の外側に、
小さく印がある。
「これは贈り物ではない」
「預かり物である」
第四章|袋の中身
翌朝、
老人は袋を一つだけ開けた。
中には――
米も、金も、
宝もなかった。
代わりに、
**村の人々の“こぼれたもの”**が入っていた。
・言えなかった言葉
・やり直せなかった選択
・見なかったことにした過ち
それらは重くない。
だが、
放っておくと世界を歪ませるものだった。
老人は理解した。
「地蔵は、
善を与えたのではない」
「溢れを回収したのだ」
第五章|麻袋地蔵の役目
それから村では、
奇妙なことが起きた。
・争いが増えも減りもしない
・貧しさは消えない
・不幸も続く
だが――
誰も壊れなくなった。
人は転ぶが、
折れない。
泣くが、
戻ってくる。
村人は言う。
「あの地蔵は、
幸せをくれない」
「だが、
終わりを先送りしてくれる」
いつしか人々は、
あの六体を
麻袋地蔵と呼ぶようになった。
第六章|奪われない理由
ある者が言った。
「袋を奪えば、
中身は我らのものになるのでは?」
だが、
誰も手を伸ばさなかった。
なぜなら、
村人は知っていたからだ。
袋は、
持ち主を選ばない
だが、
背負った者からは離れない
麻袋地蔵は動かない。
裁かない。
祝福しない。
ただ、
世界の重さを、
一時的に預かるだけである。
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