越夜隊の機体レッドベルに対して、迎撃する アミガルズ巡洋艦 【反抗作戦】

早朝6時より、現れた越夜隊の量産機
レッドベルの迎撃をするアミガルズ巡洋艦

「赤の聖歌隊は直接的戦闘を好むらしいな、だが、巡洋艦だからと侮るなかれ、我がBR部隊で対抗せよ」

「ハッチオープン解放」

後部甲板からゲートが開き、
BRが敵のレッドベルに攻撃を仕掛ける
ために、狙撃用ライフルを撃つ。

「ロックオン完了」

敵の予測線を把握し、穿たれた
赤き閃光の赤は
レッドベルの機体を貫く。

「なんだと！あいつはただの機体じゃない！」

シスターたちは焦る、そう、
この巡洋艦に乗りし、彼は
量産機に乗って、数ある専用機を撃破していったパイロットだったのだ。
異名はカスタムスレイヤー、
彼の機体は黒いカラーリングに、
光学迷彩、戦局に応じて対応が可能な
汎用兵器で揃えられている。
総じて量産機、だが、
この総合力のある機体を
彼はのりこなし、レッドベルを
屠ってゆく。

「かはっ！」

赤き血を吐く、越夜の隊長

「オレが負けるだと！こっちは指揮官機だというのに」
「戦いとは機体の優劣ではなく、操縦者の腕によって決まる」

抜かれるビームナイフ、
そして、彼はブースターを最大にして、その場を立ち去る、あとに残るは爆発により
生じた煙が海にて沈む。

海の底は灰と戦火…終わりの歌が
聞こえゆく…
彼の母艦である巡洋艦に戻る。

「ありがとう、ダレン」

眼帯を付けた軍人、ダレン・ロッツァ
は煙草を吸う。

「戦場がなければ、俺はピザ職人だったんだがな」

遠き地にて祖国ニャッツァニアを思う。
失われし瞳には、かつての青が記憶に残る。

「俺は…取り戻したい…日常を、終末事変前に生きたじいちゃんやばあちゃんの人生を…社会を…」

例え、それが崩壊に至る理由だったとしても、今、ある、混沌と悲しみに包まれるのならば、彼は戦う。

破壊する者を破壊する死神だってなるのだから、

「ダレン、コーヒーだ」

「ありがとう」

艦長にコーヒーを渡され、
一口啜る

「苦さ、世界はこの苦さってので、生きてるって自覚するな」

「お前さんは、なんだか詩的だな」

「ニーチェ的であれば、俺は死んでいただろうよ」

「ふっ、そうだな、命に対して、人一倍、真剣だからこそ、今、生きて戦ってるんだろう」

巡洋艦の艦長は考える。

「この戦いが終わったら、何になるんだ」

「ピザ職人かな、じいちゃんのピザ、うまくてさ、憧れてるんだ」

「軍人がピザ職人とはね」

艦長は微笑む、そして、考える
瞳を細め、眉をそめて

「せめて、未来の子達には、日常を送ってほしいな」

「だが、戦争があるからこそ、発展するという皮肉もある」

ダレンはため息をつき

「俺たちは戦争によって進化し、戦争によって命の尊さを知る、もし、平和ってものが、平和によって退化し、平和によって命の尊さを忘れてしまったら、何が残るんだろうな…」

「複雑だな、だが、今、越夜隊に抗ってから、考えよう…それこそが、我々のできる最善のことだと考えるよ、ダレン」

艦長は、時計を見て、立ち上がる

「それじゃあ、そろそろ、ブリッジに戻らなければ、ダレン、これからも悩むことがあるかもしれない…だからこそ、君が君であり続けるため道を進みなさい」

「あんたは俺の親か、だが、その言葉に胸に刻んでおくよ」

艦長が去ると、シルバータグを見る、
今まで散っていった者たちのレクイエム…
瞳を閉じて、胸にあて祈り想う。