小説『朝に奇妙な情報番組』【ニャンノ世界】

【絵物語】
『朝に奇妙な情報番組』

早朝、夜と朝の境界線に始まる不思議な番組、〈朝に奇妙な情報番組〉

今日も今日とて、全国に怪異情報を届けることで、怪異事件を予防することを目的にした番組である。

怪異予報士の恵里坂アズサがウィンクしながら元気を届ける。

寒い朝も健やか笑顔で、心和んだもの達は多かろう。

そして、傍らにはジェネリック・ネコノがテンガロンハットな師匠の如く自由気ままに踊っていた。

その猫人形は、怪異事件とは何ら一切関わりがなく、ましてや、踊っているのも気紛れで、疲れたら、スマホを見て、ゲーム実況やアニメを見たりと身勝手の極致へ進む独立自由な文化人形である。

だが、その姿に視聴者達は、ゆるゆるな雰囲気が緊張感をもたらす昨今の情勢、物騒な怪異事件に対する一種の清涼剤的役割をもたらしていた。

「文化は踊る、空想は進む」

時おり、重要な言葉を話すため、ジェネリック・ネコノの目撃情報があった日には、ジェネリック系統の怪異も踏まえて、議論が進みワクワクが止まらないのだ。

「猫乃拉麺いかがですか～」

時おり、広告じみた言葉も発するジェネリック・ネコノ、そんな文化人形に対しても、怯むことなく、恵里坂は進行を進めるのは、
さすがは、この怪異に慣れ、熟知しているからであろう。

「ジェネリック・ネコノさん、今回は有償puiモデルに関して今日の12時よりスタートしますが、どんな気持ちで」

「今、面白いところだから、ローグライク病み付きになるぜ」

この猫人形は空気を読まない、
流れを読まない
独立文化人形は、大衆の流れに沿わぬ様、まさに川の流れをかけ昇る魚の如く躍動したる存在であった。


「カオスゼロニャイトメア面白いのは、分かりますね」

「もしかして、アズサもやってるのカイ？」

猫人形が食いつく、興味・関心なことに関しては、目の前に魚があれば食らいつく、野良猫だった。

ここまで来たら、恵里坂のターンであり、ジェネリック・ネコノは操り人形となって、場を盛り上げる。

そう、この番組は恵里坂の番組であり、ジェネリック・ネコノはバイプレーヤーなのである。

場を盛り上げる道化師、喜劇役者な猫人形は、怪異に注意と呼び掛ける。

怪異が怪異に注意だと、それまた滑稽なれど、いとおかしきこと、
これもまた奇妙の魅力だと、猫人形はケラケラ笑いながら、

次第に怪異は集い、CMをまたぐことで、ジェネリック・ネコノの他にも様々な怪異が集うのだ。

「それじゃあ、皆さん、寒さ対策も忘れずに」

終末の寒さは黎環時代よりも寒く厳しいものとなっている。

暗黒時代において文明が崩壊したからだろうか…

いずれにせよ、これからもまた、
怪奇的な朝番組を糧に頑張れるものがいたら幸いだと、恵里坂は自分にできることを精一杯励むのである。

動画〈YoutubeShorts〉
https://youtube.com/shorts/lfPYULdmrsM?si=aXlXxNeHfYmrAmpr

〈猫人形の怪異に関して〉
https://www.chichi-pui.com/posts/2bf7a15d-639e-4f7a-ab7d-d8f809beb1b8/