落日のグラ
使用したAI
その他
※タイトルはゆるしてくださいw
グラちゃんの時点でこれしか思い浮かばなかった💦
(一応本家からは少しだけ変えました😅)
今回も4千以上……長いですΣ( ̄ロ ̄lll)
1万4千文字突破
これをイラスト投稿サイトに投稿する狂気w
時は少し遡り、語り手はしばしジェリーに委ねられる。
ジェリーにとって千葉という女は好意に値する存在だった。
もっとも美琴に抱いてる興味とは全くの別物。いわゆる珍獣のようなもの。
今回会議室に呼ばれたのだって。本当は例の女が築いた私達とのパイプの確認だったはずだ。
だと言うのにこの女。
入ってくるなり私をなかば無視して、双眼鏡を取り出すとどこかを見始めた。
「おい、わざわざここに呼んどいてそれか……」
「良いでしょ……だってこの建物からあれが見えるのなんて、この部屋しかないんだから。何かをだしにしないとこの部屋を借りられなかったのよ」
まったく……
この娘は良くこれで政府の犬なんてやってられるな。
政府のやつらはバカなのか?
「それに……貴女は人間の味方でしょ? ならそれで良いわ」
へえ……この私と一対一で密室と言う今の状況で。私に背を向けてそれが言えるなんてね。
「何故そう思うの?」
「私がどれだけ死線をくぐり抜けてきたと思ってるの? 貴女は強いわ……敵対したら、間違いなくその瞬間に私は死ぬでしょうね。だったら、警戒する意味は無いでしょ? それに、貴女は怖くないからね」
やっぱりこの娘面白いわね。
ふふふ。嫌いなやつに頼まれた仕事だけど、ここに来たのはやっぱり正解だったかしらね。あの娘にも会えたし。
「そう言えば、貴女はさっきから何を見ているの? その先なんて海しかないでしょうに?」
ふと気になって彼女の視線の先を追ってみる。
その先にあったのは、ビーチで砂遊びをする幼稚園児達。
「何? 誰か知り合いでも居るの?」
「そ、そうなんですよ。お姉ちゃんの娘があの中にいるんですよ」
へえ、つまり姪っ子か。そういう理由だったのね。そのだしに私を使ったのはしゃくだけどまあ許してやるわ。
「ほら、そろそろ解散みたいよ」
「あらら……それじゃあ。最後に一つだけ聞いても良いですか?」
「何? 答えられることなら構わないわよ」
「美琴さんの事です。貴女は美琴さんをどうしたいんですか? ただからかってるだけなら……」
「別にからかってる訳ではないわね。私なりに彼女に好意を持っているわよ」
?
今視線の先に誰かが居た気が...…
「もし少しでも本気がそこにあるのなら……貴女達がうまく行くように。私はいくらでも応援しますよ」
誰かが走って……あれは美琴‼
まさか聞かれた?
◆
時は戻り、語り手は再び美琴に戻る。
千葉さんとジェリーさんが密室から出てきた瞬間を見た私は、思わず逃げ出してしまった。
何で逃げ出したのかもわからないまま……
ただ、あの二人が仲良くしているのが嫌だったのだ。
(私、なにしてるんだろ……)
夕焼けの校舎裏。
風に吹かれて、一人で深呼吸を繰り返す。
「あは……久し振りに練習をサボっちゃったな……少し前までの私はこの時間に何をして居たんだっけ?」
ほんの少し前までは当たり前だったはずの時間。
でも今は……あの人を知ってしまった今は……
「……はぁ、最低。私バカみたいだ。どうやって時間をつぶそうかな?」
そんな独り言を漏らしたところで――背後から、千葉さんの声がした。
「ふふ、それなら少しだけ私に付き合ってくれないかしら?」
「っ、ち、千葉さん……」
振り返った瞬間、どこか違和感が走る。
同じ顔なのに、声色が妙に冷たい。
微笑みが、貼りついた仮面のよう。
「さっきはごめんなさいね。でも、逃げなくても良かったじゃないの。そんなにジェリーさんを失うのが嫌だったの? それは貴女の感情じゃないのに?」
いつもの千葉さんじゃない。
なのに、言葉のひとつひとつがやけに甘く、柔らかく私に絡みつく。
そして、いつもの優しさが無くてどこか私を攻め立てる。
「ジェリーさんも酷いわよね。魂の繋がりがあるのだもの。貴女が彼女にひかれてしまうのは当然。その繋がりを利用して貴女みたいな可愛い娘をものにしてしまおうだなんて」
「た、魂の繋がり――?」
何を言っているのかわからない。
でも、その言葉は酷くストンと私の心にしっくりと来た。
「ねぇ、ジェリーさんなんてやめて。私のものにならない?」
その問いかけは、非常に抗いがたい程の魔力があった。
ああ、彼女のものになればどれ程幸せだろう。
そうだ、頷いてしまえ。そうすればおまえは幸せになれるぞ。
そんな声が何処からか聞こえてくるようだった。
うるさいうるさい。
私の心なのに。
何そんなに揺らいでるのよ‼
「私は魂なんかでジェリーさんにひかれてる訳じゃない‼」
◆
次の瞬間、ぞわりと背中に寒気が走った。
――目が、笑っていない。
顔は千葉さんなのに、表情が“何もない”。
まるで、のっぺらぼうのよう。
「私ね、貴女のことずっと見ていたの」
「……え?」
「ジェリーがどんな表情であなたを見るのか……
どんな声で名前を呼ぶのか……
彼女程の存在がわざわざ人間なんかを相手する理由が誰なのか……ずっと」
その声音は、嫉妬でも憎悪でもない。
もっと深い、ねじれた執着だった。
「でもね、今は違うわ……アハ、私の誘惑をはねのけるなんてね。見直したわ美琴‼ いえ、これからは貴女じしんを見てあげる。うーん……違うわね……いっそ本当に私のものにしてあげる」
「な、なにを……言って――」
その時、初めて気づいた。
彼女の影が揺らぎ、人ならざる黒い形に変質していることに。
「――私の名前はグラ。特別に貴女には名前を教えてあげる。そうね、もっとわかりやすく名乗ってあげようか?」
『私は魔王軍四天王の一人<落日のグラ>』
「!」
「この間の大規模襲撃、覚えてる? あれね、全部貴女を見つける為の“捨て駒”」
捨て駒?
あれだけの数の魔物が?
いえ、それよりも私を見つける為って……
「嘘……そんなはず……」
「本当よ。だって、本命はジェリーなんだもの。
彼女がどう動くか……誰を守るか……どちらを選ぶのか……全部見るためのね」
笑うでもなく、ただ淡々と告げる声が恐ろしかった。
彼女の言葉が本当なら、あれ程の襲撃をその程度の理由で簡単に行えてしまう。
まるで善悪のわからない子供が権力を持ってしまったみたいに。
「結果貴女が選ばれたの。あのジェリーに……でも、それも当然よね。貴女達の間には深い繋がりが見えるもの。そう、魂レベルでの繋がりがね」
「や、やめ……」
喉が震えて言葉にならない。
足も動かない。
その瞬間。
◆
「美琴――!!」
空気が変わった。
ここ最近見慣れた。新緑が私の視界を埋め尽くす。
校舎裏の影からジェリーさんが飛び込んできて、私の前に立ちはだかったのだ。
彼女の目は、いつもの穏やかさを失っていた。
怒りとも焦りともつかない、剥き出しの感情。
「お前グラ……ッ、何で貴女が‼」
「ふふ、貴女にはわからないわ。じぇるりにでも聞いたら? 無理でしょうけどね。だって...…じぇるりは貴女が殺したんだものね。だから、私も奪ってあげる。貴女の大事なもの。みーんなみーんな奪ってあげる。姫様も、そこの女も、そしてじぇるりもね」
じぇるり? それに姫様?
良くわからないけど……
やっぱりジェリーさんは英雄?
「……ッ、美琴に触るな!」
ジェリーさんの叫びは――聞いたこともないほど必死だった。
その一撃は稲妻のように鋭く、いつの間にか私の後ろに居たグラと名乗る魔族の姿を瞬時に吹き飛ばす。
だが彼女は霧のように散り、校舎の屋根の上に影だけを残す。
「今日はここまでにしてあげる。
でも、また来るわ。
ジェリー貴女にも絶望を味会わせてあげる――そして、美琴……待っててね。あなたもすぐに私のものにしてあげるから。貴女は私の“オトモダチ”になるの。嬉しいでしょ?」
そう囁き、暗がりへと溶けて消えた。
◆
「美琴、大丈夫……? どこも怪我は……」
ジェリーさんは震える手で私の肩に触れた。
その表情には恐怖と焦り、そして――
どうしようもない罪悪感が顔一杯に広がっていた。
「私が……もっと速く気づいていれば……」
(違います……ジェリーさんのせいじゃ……)
そう言うつもりだった。
でも、その言葉は何故か出てこなかった。
言いたかったのに――胸が痛くて、言葉が出てこない。
先の襲撃はジェリーさんを観察する為だけに行われた。
しかもあれくらいの規模は魔物にとっては取るに足らないものだったらしい。
今日もジェリーさんが私に興味をしめしてるから……きっと本当にそれだけの理由でやって来た。
もし本気をだしたら……
きっと次はこんなものではすまない。
それこそ誰かの命が失われるかもしれない。
グラは、私にこう告げた。
『あなた、選ばれたの。ジェリーに。可愛そうに……これからは一生魔物に追われるのよ貴女。そうなりたくなかったら"オトモダチ"になることね』
その意味が分かってしまうから。
次の襲撃では私の知り合いが、友人が失われてしまうかもしれない。
それに、あのグラは多分私に対しては善意で言ってくれている。
でも、私の心は深く深くジェリーさんを求めてしまう。
きっと……友達よりも、あのグラよりも。
ジェリーさんもまた、私の様子を見て、言葉が詰まっている。
私が何処までも深くジェリーさんにひかれていってしまっているという心と。
でも、きっとジェリーさんを恨んでしまう気持ちも……
きっと私の心の何処かにはあるのだから。
私の心が揺れ動いている。
二律背反に飲み込まれそうな今の私には。
「美琴……私は……」
「ジェリーさん……今日はすいませんでした。急に逃げちゃったりして。もう遅くなっちゃたし帰りませんか?」
彼女が何を言おうとしていたのか――怖くて聞く勇気は残っていなかった。
こうして、
きっとグラの狙い通り、私たちの心には“しこり”が生まれてしまった。
互いの距離が近づく事を求めているはずなのに、
どちらも踏み込むことができない曖昧な距離。
その隙間に――グラの魔の手がせまる。
※という訳で後書き的な
本物の千葉さんと偽物の千葉さんの落差ぇ
美琴さん編はグラちゃんとの間に一定の区切りがついたらかな?
そこで終わるのが物語的にも綺麗かなって
まさかの期間中に終わりますねこれ
まだ話は続きますけど……
本編のジェリーさん編がもう一年以上書いてないのにサイドストーリーだけ進めてもね💦
という訳で後は〆るだけなんですけど。
2万文字弱かなぁ……
普通に短編小説並みの長さだw
物語系の企画になるとどうしても止まらなくなっちゃうの私の悪い癖ですね😢
グラちゃんの時点でこれしか思い浮かばなかった💦
(一応本家からは少しだけ変えました😅)
今回も4千以上……長いですΣ( ̄ロ ̄lll)
1万4千文字突破
これをイラスト投稿サイトに投稿する狂気w
時は少し遡り、語り手はしばしジェリーに委ねられる。
ジェリーにとって千葉という女は好意に値する存在だった。
もっとも美琴に抱いてる興味とは全くの別物。いわゆる珍獣のようなもの。
今回会議室に呼ばれたのだって。本当は例の女が築いた私達とのパイプの確認だったはずだ。
だと言うのにこの女。
入ってくるなり私をなかば無視して、双眼鏡を取り出すとどこかを見始めた。
「おい、わざわざここに呼んどいてそれか……」
「良いでしょ……だってこの建物からあれが見えるのなんて、この部屋しかないんだから。何かをだしにしないとこの部屋を借りられなかったのよ」
まったく……
この娘は良くこれで政府の犬なんてやってられるな。
政府のやつらはバカなのか?
「それに……貴女は人間の味方でしょ? ならそれで良いわ」
へえ……この私と一対一で密室と言う今の状況で。私に背を向けてそれが言えるなんてね。
「何故そう思うの?」
「私がどれだけ死線をくぐり抜けてきたと思ってるの? 貴女は強いわ……敵対したら、間違いなくその瞬間に私は死ぬでしょうね。だったら、警戒する意味は無いでしょ? それに、貴女は怖くないからね」
やっぱりこの娘面白いわね。
ふふふ。嫌いなやつに頼まれた仕事だけど、ここに来たのはやっぱり正解だったかしらね。あの娘にも会えたし。
「そう言えば、貴女はさっきから何を見ているの? その先なんて海しかないでしょうに?」
ふと気になって彼女の視線の先を追ってみる。
その先にあったのは、ビーチで砂遊びをする幼稚園児達。
「何? 誰か知り合いでも居るの?」
「そ、そうなんですよ。お姉ちゃんの娘があの中にいるんですよ」
へえ、つまり姪っ子か。そういう理由だったのね。そのだしに私を使ったのはしゃくだけどまあ許してやるわ。
「ほら、そろそろ解散みたいよ」
「あらら……それじゃあ。最後に一つだけ聞いても良いですか?」
「何? 答えられることなら構わないわよ」
「美琴さんの事です。貴女は美琴さんをどうしたいんですか? ただからかってるだけなら……」
「別にからかってる訳ではないわね。私なりに彼女に好意を持っているわよ」
?
今視線の先に誰かが居た気が...…
「もし少しでも本気がそこにあるのなら……貴女達がうまく行くように。私はいくらでも応援しますよ」
誰かが走って……あれは美琴‼
まさか聞かれた?
◆
時は戻り、語り手は再び美琴に戻る。
千葉さんとジェリーさんが密室から出てきた瞬間を見た私は、思わず逃げ出してしまった。
何で逃げ出したのかもわからないまま……
ただ、あの二人が仲良くしているのが嫌だったのだ。
(私、なにしてるんだろ……)
夕焼けの校舎裏。
風に吹かれて、一人で深呼吸を繰り返す。
「あは……久し振りに練習をサボっちゃったな……少し前までの私はこの時間に何をして居たんだっけ?」
ほんの少し前までは当たり前だったはずの時間。
でも今は……あの人を知ってしまった今は……
「……はぁ、最低。私バカみたいだ。どうやって時間をつぶそうかな?」
そんな独り言を漏らしたところで――背後から、千葉さんの声がした。
「ふふ、それなら少しだけ私に付き合ってくれないかしら?」
「っ、ち、千葉さん……」
振り返った瞬間、どこか違和感が走る。
同じ顔なのに、声色が妙に冷たい。
微笑みが、貼りついた仮面のよう。
「さっきはごめんなさいね。でも、逃げなくても良かったじゃないの。そんなにジェリーさんを失うのが嫌だったの? それは貴女の感情じゃないのに?」
いつもの千葉さんじゃない。
なのに、言葉のひとつひとつがやけに甘く、柔らかく私に絡みつく。
そして、いつもの優しさが無くてどこか私を攻め立てる。
「ジェリーさんも酷いわよね。魂の繋がりがあるのだもの。貴女が彼女にひかれてしまうのは当然。その繋がりを利用して貴女みたいな可愛い娘をものにしてしまおうだなんて」
「た、魂の繋がり――?」
何を言っているのかわからない。
でも、その言葉は酷くストンと私の心にしっくりと来た。
「ねぇ、ジェリーさんなんてやめて。私のものにならない?」
その問いかけは、非常に抗いがたい程の魔力があった。
ああ、彼女のものになればどれ程幸せだろう。
そうだ、頷いてしまえ。そうすればおまえは幸せになれるぞ。
そんな声が何処からか聞こえてくるようだった。
うるさいうるさい。
私の心なのに。
何そんなに揺らいでるのよ‼
「私は魂なんかでジェリーさんにひかれてる訳じゃない‼」
◆
次の瞬間、ぞわりと背中に寒気が走った。
――目が、笑っていない。
顔は千葉さんなのに、表情が“何もない”。
まるで、のっぺらぼうのよう。
「私ね、貴女のことずっと見ていたの」
「……え?」
「ジェリーがどんな表情であなたを見るのか……
どんな声で名前を呼ぶのか……
彼女程の存在がわざわざ人間なんかを相手する理由が誰なのか……ずっと」
その声音は、嫉妬でも憎悪でもない。
もっと深い、ねじれた執着だった。
「でもね、今は違うわ……アハ、私の誘惑をはねのけるなんてね。見直したわ美琴‼ いえ、これからは貴女じしんを見てあげる。うーん……違うわね……いっそ本当に私のものにしてあげる」
「な、なにを……言って――」
その時、初めて気づいた。
彼女の影が揺らぎ、人ならざる黒い形に変質していることに。
「――私の名前はグラ。特別に貴女には名前を教えてあげる。そうね、もっとわかりやすく名乗ってあげようか?」
『私は魔王軍四天王の一人<落日のグラ>』
「!」
「この間の大規模襲撃、覚えてる? あれね、全部貴女を見つける為の“捨て駒”」
捨て駒?
あれだけの数の魔物が?
いえ、それよりも私を見つける為って……
「嘘……そんなはず……」
「本当よ。だって、本命はジェリーなんだもの。
彼女がどう動くか……誰を守るか……どちらを選ぶのか……全部見るためのね」
笑うでもなく、ただ淡々と告げる声が恐ろしかった。
彼女の言葉が本当なら、あれ程の襲撃をその程度の理由で簡単に行えてしまう。
まるで善悪のわからない子供が権力を持ってしまったみたいに。
「結果貴女が選ばれたの。あのジェリーに……でも、それも当然よね。貴女達の間には深い繋がりが見えるもの。そう、魂レベルでの繋がりがね」
「や、やめ……」
喉が震えて言葉にならない。
足も動かない。
その瞬間。
◆
「美琴――!!」
空気が変わった。
ここ最近見慣れた。新緑が私の視界を埋め尽くす。
校舎裏の影からジェリーさんが飛び込んできて、私の前に立ちはだかったのだ。
彼女の目は、いつもの穏やかさを失っていた。
怒りとも焦りともつかない、剥き出しの感情。
「お前グラ……ッ、何で貴女が‼」
「ふふ、貴女にはわからないわ。じぇるりにでも聞いたら? 無理でしょうけどね。だって...…じぇるりは貴女が殺したんだものね。だから、私も奪ってあげる。貴女の大事なもの。みーんなみーんな奪ってあげる。姫様も、そこの女も、そしてじぇるりもね」
じぇるり? それに姫様?
良くわからないけど……
やっぱりジェリーさんは英雄?
「……ッ、美琴に触るな!」
ジェリーさんの叫びは――聞いたこともないほど必死だった。
その一撃は稲妻のように鋭く、いつの間にか私の後ろに居たグラと名乗る魔族の姿を瞬時に吹き飛ばす。
だが彼女は霧のように散り、校舎の屋根の上に影だけを残す。
「今日はここまでにしてあげる。
でも、また来るわ。
ジェリー貴女にも絶望を味会わせてあげる――そして、美琴……待っててね。あなたもすぐに私のものにしてあげるから。貴女は私の“オトモダチ”になるの。嬉しいでしょ?」
そう囁き、暗がりへと溶けて消えた。
◆
「美琴、大丈夫……? どこも怪我は……」
ジェリーさんは震える手で私の肩に触れた。
その表情には恐怖と焦り、そして――
どうしようもない罪悪感が顔一杯に広がっていた。
「私が……もっと速く気づいていれば……」
(違います……ジェリーさんのせいじゃ……)
そう言うつもりだった。
でも、その言葉は何故か出てこなかった。
言いたかったのに――胸が痛くて、言葉が出てこない。
先の襲撃はジェリーさんを観察する為だけに行われた。
しかもあれくらいの規模は魔物にとっては取るに足らないものだったらしい。
今日もジェリーさんが私に興味をしめしてるから……きっと本当にそれだけの理由でやって来た。
もし本気をだしたら……
きっと次はこんなものではすまない。
それこそ誰かの命が失われるかもしれない。
グラは、私にこう告げた。
『あなた、選ばれたの。ジェリーに。可愛そうに……これからは一生魔物に追われるのよ貴女。そうなりたくなかったら"オトモダチ"になることね』
その意味が分かってしまうから。
次の襲撃では私の知り合いが、友人が失われてしまうかもしれない。
それに、あのグラは多分私に対しては善意で言ってくれている。
でも、私の心は深く深くジェリーさんを求めてしまう。
きっと……友達よりも、あのグラよりも。
ジェリーさんもまた、私の様子を見て、言葉が詰まっている。
私が何処までも深くジェリーさんにひかれていってしまっているという心と。
でも、きっとジェリーさんを恨んでしまう気持ちも……
きっと私の心の何処かにはあるのだから。
私の心が揺れ動いている。
二律背反に飲み込まれそうな今の私には。
「美琴……私は……」
「ジェリーさん……今日はすいませんでした。急に逃げちゃったりして。もう遅くなっちゃたし帰りませんか?」
彼女が何を言おうとしていたのか――怖くて聞く勇気は残っていなかった。
こうして、
きっとグラの狙い通り、私たちの心には“しこり”が生まれてしまった。
互いの距離が近づく事を求めているはずなのに、
どちらも踏み込むことができない曖昧な距離。
その隙間に――グラの魔の手がせまる。
※という訳で後書き的な
本物の千葉さんと偽物の千葉さんの落差ぇ
美琴さん編はグラちゃんとの間に一定の区切りがついたらかな?
そこで終わるのが物語的にも綺麗かなって
まさかの期間中に終わりますねこれ
まだ話は続きますけど……
本編のジェリーさん編がもう一年以上書いてないのにサイドストーリーだけ進めてもね💦
という訳で後は〆るだけなんですけど。
2万文字弱かなぁ……
普通に短編小説並みの長さだw
物語系の企画になるとどうしても止まらなくなっちゃうの私の悪い癖ですね😢
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