赤い壁。
見た目はただ赤く薄汚れた壁。
それは『奴ら』のテリトリーを示すもの。
これはその入口。
資格あるものだけを受け入れる地獄の門。
私は再びその壁にそっと手に触れる。
バチンッ!
「ーーーッ!」
何かしらのチカラによって弾かれる手。
そうか、なるほど。どうやら気付かれたらしい。
次に私は刀の鋒を壁に押し当てる。
バチンッ!バチンッ!バチンッ!
刃を拒絶する壁。飛び散る火花。
それに構わず刀を押し込む。
刃が壁に少しずつめり込んでいく。
そして私はそれを一気に斬り裂いた。
赤い壁を抜けるとその先に薄暗いホール。
一面に乱雑に赤い布で装飾されている。
奴らはよっぽど赤が好きらしい。
ホールを抜けると地下へ続く階段があり、その先からは不快な悪臭が漂ってくる。
血の腐臭だ。
地下に降り、私は先へと歩みだす。
奴らを斬り裂くために。