降り積もる雪の白を、街中の提灯が鮮やかな紅に染め上げている。 大晦日の喧騒の中、彼女――シロは、鏡に映る自分をじっと見つめていた。

「……よし。これで、準備はできたわ」

頬に小さく刻んだ「年」の文字。それは決意の印。 背後から、幼馴染のハルがひょっこりと顔を出した。

「わっ、派手に決めたね!その着物、ターコイズブルーが雪に映えてて綺麗じゃん」

「……色だけ? 初詣、これで行くって決めてたの。2026年は、もう迷わないって」

シロは黒いレースの手袋を整え、そっと手を合わせた。指先がわずかに震えている。

「へえ、気合入ってるなあ。初志貫徹ってやつ?」

「そう。去年の私は、結局一歩が踏み出せなかった。でも、この紅い背景に負けないくらい、今年は自分を出し切るつもりよ」

ハルは少し照れくさそうに鼻をこすり、彼女の隣に並んだ。

「そっか。……ま、その意気込みなら大丈夫だろ。シロのそういう頑固なところ、嫌いじゃないし」

「頑固じゃなくて、信念と言ってほしいわね」

ふっと口角を上げたシロが、真っ赤な空を仰ぐ。

「見て、ハル。もうすぐ夜が明けるわ」

「ああ。新しい年だな」

「ええ。2026年、私の『最初の一歩』……しっかり見ていてね」

二人は賑わう境内へと歩き出す。 紅い決意を胸に刻んだ彼女の横顔は、昇り始めた朝陽よりもずっと眩しく輝いていた。

呪文

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