ゲームする美優ちゃんとお義兄ちゃん

お義兄ちゃん
「ふんふんふ～ん♪」

美優ちゃん
「お義兄ちゃん、どうしたの？すごく機嫌いいね？」
美優ちゃんはソファで宿題をしていた手を止め、怪訝そうな顔でお義兄ちゃんを見上げる。

お義兄ちゃん
「これを見ろ！」

お義兄ちゃんはジャーンと声を上げながら、ピカピカのゲームパッケージを高らかに掲げる。

美優ちゃん
「ふーん……餓○伝説の新作じゃん。」
興味なさげに呟く美優ちゃん。
しかしその目は、ほんの少しだけキラリと輝いた。

お義兄ちゃん
「どうだ、美優！目の肥えた俺のセンスが選んだゲームだぞ。しかも、今日は特別にお前と一緒に遊んでやる！感謝しろよな～。」
ドヤ顔で胸を張るお義兄ちゃん。

美優ちゃん
「しょうがないなぁ。でも私、あんまりゲーム得意じゃないからね。」
小さく微笑む美優ちゃん。
その背中に何か得体の知れないオーラを感じ取ったお義兄ちゃんだが、気にせずゲームの準備を進める。

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お義兄ちゃん
「まあ、俺は学校一のゲーム神だからな。初心者相手に本気出したら可哀想だし、最初は手加減してやるよ！」

美優ちゃん
「……ありがと。」

試合が始まる。
お義兄ちゃんは派手な必殺技を出そうとボタンを連打するが、空振りが多い。
一方、美優ちゃんは静かに確実に攻撃を重ねていく。

お義兄ちゃん
「おいおい、ちょっと待て！なんでこんな簡単な技が決まらないんだ！？……いや、次は本気出す！」

お義兄ちゃんの顔が赤くなり、コントローラーを握る手が汗ばんでくる。
ついには立ち上がり、叫びながら操作を続ける。

お義兄ちゃん
「よっしゃあ！ここでパワーゲイザー炸裂ぅ！」

……が、その瞬間、逆に美優ちゃんが圧巻のコンボを叩き込む。

美優ちゃん
「お義兄ちゃん、動きが大きすぎるよ。それ、隙だらけ。」

お義兄ちゃんのキャラクターが画面の端から吹っ飛び、ゲームセット！

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お義兄ちゃん
「俺が負けるなんて……この俺が……！？」
膝から崩れ落ちるお義兄ちゃん。

美優ちゃん
「お義兄ちゃん、無駄なプレイが多すぎるね。」
淡々とした口調で美優ちゃんがとどめの一言を放つ。

お義兄ちゃん
「うぐっ……！」
両手で顔を覆い、そのままソファに崩れ落ちるお義兄ちゃん。

お義兄ちゃん
「美優……なんでそんなに強いの？」

美優ちゃんは小さく肩をすくめながら立ち上がる。
そして、ゆっくりとお義兄ちゃんの目の前で座り直し、堂々たるドヤ顔を浮かべてひと言。

美優ちゃん
「私、こういうの得意！」