オレンジ髪ボブでエプロンの少女

使用したAI Stable Diffusion
日差しが強くなりはじめた午後。
わくわくドナルドは、ちょっとした混雑を見せていた。
「いらっしゃいませーっ! えっと、にこにこポテトセット、で合ってるかなっ?」
カウンターの奥から聞こえる声は、どこまでも明るくて素直だった。
この店に“研修体験”で入ってきたばかりの新人バイトだ。
ドジは多い。
トレーの上にドリンクを置いたあと、さらにポテトも倒したりする。
それでも、笑顔と、なんだか放っておけない空気が、客の心を緩ませる。
「えへへ、ごめんねー、ちょっと待っててね!」
客の方も、苦笑いしながら「大丈夫ですよ」と言ってしまう。
──そんな様子を、窓際の隅の席からじっと観察している2人がいた。
「……羨ましくはないけれど、あの“距離感のなさ”は、脅威だわ」
つぶやいたのは、黒髪ロングの美少女。
どこか冷たい印象を与えるが、今はただストローを咥えたまま、目を細めていた。
「……お前、何時間見てんだよ。ポテトSと水でさ……」
向かいに座る男子がぼそっと呟く。
その死んだ魚のような目は、実は鋭く物事を見通している。
「まぁ、いいんじゃね。誰かを笑顔にできるやつが、店にいるってのは。
マニュアルには書いてなくても、それがこの店の“正解”なんだろ」
その視線の先で、彼女は小さな女の子にナゲットを手渡していた。
その笑顔は、まるで太陽。
少女がぱっと顔を明るくして、手を振っている。
「うーん……いいなぁ、私もいつか、
こんなふうに誰かの“わくわく”になれたらいいなっ!」
そう言ってトレーを持って走っていく。
ポテトが、またちょっと傾いていたけど、それも彼女らしさ。
観察する少女は、ふぅ、とため息をひとつ。
男子は、ポテトを1本口に運びながら、呟いた。
「……にしても、あいつ、たぶん俺らよりずっと“バケモン”だわ」
でも、それを誰も嫌がらない。
わくわくドナルドに、今日もまた、彼女の声が響いていた。

呪文

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