ロスジェネ 第6話

使用したAI ChatGPT
第6話「証拠と代償」

目を覚ました瞬間、カーテンの隙間から差し込む光が、どこか懐かしく感じられた。

(……戻ったんだ)

4月3日、朝7時。
蓮は、2日前にタイムリープしてきた。

小宮がパワハラを受ける前日。
「まだ何も起きていない」この日なら――“変えられる”。



始業前、蓮はこっそり録音用のICレコーダーを買ってきた。
「証拠を取る」。それが今回の目的だ。

彼女の上司――神保 課長。
社内では腰の低い“聞き上手”として知られているが、裏では何人もの女性部下が異動を申し出ているという噂もある。

(でも、証拠がない限り、何も変わらない)

蓮は、昼休みに小宮を呼び出した。

「お願いがあるんだ。これ……持っててくれない?」

ICレコーダーを渡すと、小宮は戸惑った表情を見せた。

「これ……?」

「明日の面談、録音してほしい。証拠を取れば、上に訴えることができる。俺も一緒に動く」

しばらくの沈黙の後、小宮はゆっくりと頷いた。



翌日。
蓮は資料室の隅に身を潜め、小宮の戻りを待った。

午後2時すぎ、彼女が顔を強張らせて戻ってきた。
ポケットに手を入れ、無言でICレコーダーを渡す。

蓮はその場で再生ボタンを押した。

「……緊張してるの? そんな怖がらなくてもいいのに」
「立ってみて。……あ、腰のラインがきれいだね。スーツ似合うよ」

……はっきり入っていた。



その日の夕方、蓮は録音データとともに人事部の内部通報窓口を訪れた。
匿名ではなく、実名で提出した。

「……これが、俺にできることだと思ったんです」

そのときの人事課長の顔は、驚きよりも“理解”の色が強かった。

「……ありがとう。こういう声が、必要だった」



その夜。
スマホの『Re:GEN』を見ると、ある変化があった。

「リープ記録」:No.003 実行済み
未来影響度:21%
“代償:通報者の社内評価低下”

(……ああ、やっぱり)

蓮は苦笑した。

(正義を貫いても、“自分”が傷つく。それでも――)

次の日。
社内の掲示板に神保課長の“異動”が静かに張り出された。
「ハラスメント再発防止研修のため、地方支社へ出向」と。

小宮はその紙を見つめながら、蓮に小さく呟いた。

「……ありがとう。でも、あなたの評価、落ちてるよ。『正義マン』って陰口もある」

「知ってる。でも――小宮さんが無事なら、それでいいよ」

彼女は、少しだけ寂しそうに笑った。



(第6話 完)

次回 → 第7話「リープ不能日」

呪文

入力なし

メモレアさんの他の作品

メモレアさんの他の作品


新着AIイラスト

すべてを見る