ジンバック

（チリンチリーン）
「いらっしゃいませ♪・・・あら、凪咲。いらっしゃい。久しぶりね、何かあった？」
「やっほー、久しぶりー・・・あー、やっとここに来れたよー。本当に疲れた・・・」
「そうね、ちょっと疲れが見えるわ。まぁ、とにかくお座りください。積もる話もあるでしょう。」
「そうだねー、凪咲さんは優しさを所望する！香澄さんや、抱き着かせて・・・じょ、冗談だよ。流石に、あはは・・・」
「お店で抱き着かせるのは嫌だけど、本当どうしたのよ。そこまで疲れるって珍しいじゃない。」
「お？ってことはプライベートなら抱き着いても・・・はい、ごめんなさい。いや、実は4月から異動になってね。前々から予告はされてたんだけど、現場に行くことが多い部署で、新しく覚えたり勉強することが山積みで。仕事後も本当はここに来たいんだけど、早く家に帰って勉強したり休んでたんだ。」
「凪咲って設計だったわよね？そこから現場って、また大幅にやることが変わるのね。あ、もちろん言える範囲ならで良いんだけど。」
「いや、こんくらいなら喋って大丈夫だよ。うちは自社で工場もあるから、現場と設計の連携を取るための仕事って感じかな。前から打診されてたんだけど、思い切って飛び込んでみたんだよね。現場見ないと分からないこと一杯あるから勉強になるよ。まぁ、しんどい面はあるけど・・・」
「それはしんどい部署だね。勉強にはなるけど、板挟みになることも多そう。凪咲、あまり根を詰め過ぎちゃダメよ？」
「気を付けるよ。でも、やっぱ遥ちゃんに刺激されたなぁ。副店長になってからよりステージ上がったのが傍から見てても思うからさ。私も部署異動しなくても勿論良かったんだけど、自分のためになるの分かってる挑戦がしたいって思ったんだ。同じ香澄推し勢として遥ちゃんに負けてられないしね！」
「最後のは何か複雑だけど・・・ま、ヤル気になるって言うなら何でもいいか。じゃ、新しいスタートを切った凪咲に私が一杯目は奢りましょうか？」
「お、いいの！？やったー！香澄からの奢りだー！ありがとう香澄！愛してる！」
「全く調子良いんだから・・・じゃあ、少々お待ちください。」

・・・（カクテル製作中）・・・

「お待たせしました。ジンバックです。」
「流石の手際だねぇ、じゃ早速一口。うん、美味しい！ジンの芳醇な香りにジンジャーエールが甘味とピリッとした刺激が良い感じの爽快さがあるよね！」
「良かった。一杯目だし、カジュアルに楽しめるかなと思って。で、凪咲なら気付いてるかもだけど・・・」
「カクテル言葉が「正しき心」なんだよね♪うん、確かにそういう目線忘れがちだよね。環境が変わってバタバタしてたし、なぁなぁになっちゃった所もあったかも。気を付けないとなぁ。」
「ま、そういう意図もあるね。でも実は本当に言いたいことはね・・・頑張ってる貴女にこんな事言っちゃ駄目なのかもしれないけど、仮に、もし仮にその異動先で上手くいかなかったとしたって、私は絶対に凪咲を軽蔑したりなんかしない。だから私の意見としては、絶対に無理だけはしないで欲しいの。もちろん凪咲なら大丈夫と信じた上でだけどね。」
「・・・有難いなぁ。ここまで言ってもらえるなんてね。・・・うん。大丈夫だよ！今はしんどいけど、やりがいも本当に感じてるんだ！でも、根を詰め過ぎないことも約束するよ。潰れちゃったら意味ないしね。」
「凪咲なら大丈夫よ。しばらくは会える機会が下がるかもしれないけど、便りが無いのは元気な証と取っておくわ。お互い、頑張っていきましょうね♪」

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カクテル紹介はまたまた、随分久し振りになっちゃいましたね。
今回は４月になったので、凪咲さんが異動をして頑張っている設定と絡めてみました。頑張り屋の凪咲さんなので、香澄さんから見ると応援したい気持ちはあれど、少し心配なところもあるようで。
二人ならではの励まし、という感じで台詞を考えてみました。仲良しだけど、ちゃんと言うべきことは言い合える関係が出ていれば良いな。

さてジンバックですが、とてもスタンダードなカクテルですね。
冷やしたグラスに、氷、ドライジン、レモンジュースを入れ、最後にジンジャーエールを入れてから軽くステアすれば完成です。作り方自体は簡単なので、居酒屋さんでも見かけることもあります。
凪咲さん台詞にあるように、ジンの芳醇な香りにジンジャーエールが甘味とピリッとした刺激が爽やかな味わいになります。度数も10%切るぐらいなので、お手軽に楽しめるのではないでしょうか。材料もそろえやすいので、おうちで作ってみても楽しいですよ♪
そろそろ暖かくなってくると、より一層楽しめるカクテルとなっていますので、是非お試しくださいませ♪