彼女はグリコの差し金でもなく、
普通の辰年ちゃんと同じ竜族のキャラだ。
だが、キャラというものは、どうしても、
創作者の心を反映してなのか、
辰年ちゃんのように
明るく振る舞うことができなかった。
「竜舞なら、何回でも舞えるんだけどな、食べ残し、羽休め、竜舞、神速、地震」
彼女は確かに凄い力を持っていた。
だが、強いゆえに、敵も多く
対策され続け、彼女は遂に
グレてしまった。
「わかんなくていいよ、だって、私、メジャーな竜族だったから、確か、六百族の覇王とか言われてたけど…今は辞めちまって、ここで煙草と酒を飲んでる、まぁ、食べ残しは好きだから、取ってあるよ、お前も食うか?」
当然、目の前には同様に、病んでしまった相棒が食べ残しをボリボリとかじる。
リンゴの芯だから、何の意味もない…
虚無…悲壮…退廃的な空間で彼らは
敗北感にうちひしがれていた。
「相棒、生まれ変わったら、戦いとは無縁がいいよな…、私はつかれたよ…はぁ…」
「地震で壊すか世界」
「めんどくさいからいい…私、もう寝るわ…Zzz」
それぞれの世界に辰年ちゃんはいる。
そして、彼女も辰年ちゃんだ。
だけど、グレた辰年ちゃん…
彼女が空をまたいつか飛べることを…
名もなき誰かは待っている。
(猫メモ)
辰年ちゃんをグレさせました。
やさぐれ、アングラな雰囲気の
辰年グレコができて、楽しかったです。
いくすんさんの空欄問題への解答でした。
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