ダル(映画『Demon of Dandelion/向日葵の悪魔』本編未公開シーン)

天使、お前には
向日葵畑の悪魔をどうにかしてほしい

「ダル」

「上官になんというくちきき！」

「正直、向日葵畑にいる悪魔、何もしないじゃないか、それよりも、都心にいる悪魔で精一杯なんだけど」

「それはわかっているが、向日葵の悪魔も何を考えてるのかわからないから、早急に対処しろとミカエル様が言っておられるのだ」

「ふーん、ミカエル様がねぇ、ダル」

「お前はダレが好きなのか！」

「ダレって？Dalle？あーあ、あの、文字入力したら作ってもらうやつ？あんなの人間のおろかなところだよねぇー、自ら神になったかのようにお高く止まってさ」

「芸術家のダリだ！」

「あの、髭ピンとした人か～、まぁ名前は知ってるけど、作品はピンとこないなぁ」

「言葉遊びをされてる気がするがまぁいいとにかく、今は」

写真を机の方に置く
天使は見る。

「ヘェーかっこいいじゃん、ヒーロー物にでてきそうな感じで」

「コイツは悪魔だ、我々は常に悪魔を滅し秩序ある世界を作るために行動している。悪魔は決してヒーローなんかじゃない」

「でもさ？ヒーローってなんなの？」

天使は天使長に聞く

「ヒーローではないが秩序(ロー)は我々だ、天使はそのために神様から作られたのだ」

「ふーん、わかったよ、ダルいけど、天使長と神様、ミカエル様からの願いあってだとしたら、やらないわけにはいかないからね」

天使は席を立つ、そして、天使長の方を向いて

「帰ってきたら、炭酸とサンドウィッチ奢ってくださいね」
「清貧と高潔とはなんとやらだが、いいだろう、命賭けの職場だからな」
「達成したらいつもの場所で」
「あぁ、good luck (幸運を祈る)」

天使は部下の天使とともに飛び立つ
向日葵畑へ、悪魔を滅するために

『ダル』
天使 山原 ユカタ
天使長 長部 オサキチ
ネコノスタジオ制作
猫乃つづり 監督

(猫メモ)
映画の本編未公開シーンは
カットされた部分を放映する感じで、
小さい頃はどうしてそれがあるのだろうと
思っていました。しかし、作る側にとって、イラストや映像は愛着が湧いて捨てきれないもので、なんとか公開したいという思いで未公開シーンはあるのかなと思うと、魂かけてるんだなと胸が熱くなります。