※もう作り始めちゃったからこのまま行きます💦
555眼鏡カウンター突破記念企画第二段

もう出来てるやつの紹介する企画だったんですねΣ( ̄ロ ̄lll)
と言うわけでここまでは昨日作っちゃってたんで
あとで纏めて表紙を作れば良いでしょ🤣
すいませんが途中もタグをつけさせて下さい。これだけ作ってイベント系のタグ無しは寂しい😅

あ、最初に注意しておきますが…長いです



 学校の周辺及び、組織から遠い町の北部を襲った魔物の群れは、私と彼女の手で討伐された。
 ……正確に言えば、私は半分ついていくのに必死だっただけで、実際に殲滅したのはほとんど彼女だったのだけれど。

「美琴、前の群れは私が殲滅するから。後ろの民間人に近い所にいる二体は任せるわ。いける?」

「……っ、任せて下さい!」

 私が二体担当している間に彼女は正面の群れを殲滅してしまう。その二体だって彼女に借りた不思議な鈴の力が無ければとても無理だっただろう。

 土地勘の無い彼女へ道案内をしますと言って半ば無理やりついてきたが。
 間違いなく彼女はあの英雄の……
 その証拠に私を最初に見た時のあの意味ありげな顔。
 そして、初めて会った筈の私にこれ程までにぴったりくる鈴だ。
 まるで私専用にあつらえたのかと勘違いしてしまう。それ程迄に私の力を引き出してくれる。その力は今の錆び付いた私ですら『2年前のあの化け物』を凌駕しているんじゃないかと感じる程。

 これを持っていたら……2年前逆にあの化け物に敗北感を与えてやることが出来たのかな?
 母だって私を見捨てないで……

 やめよう。もう終わった話だし、何より今は魔物との戦いの途中だ。
 ほんの数時間前まで術式すらまともに展開できなかった錆び付いた私が、こうして戦えている――それだけで満足しないと。
 だから彼女から感じる一抹の不安感なんて……この奇妙なざわめきなんて……きっと気のせいだ。
 彼女は英雄で、私に力をくれた。それだけで良いじゃない。



 瓦礫に包まれた町で、最後の魔物が崩れ落ちる。

「終わったようね。……この町から感じる魔物の気配も全部消えた。そこのあなた達、避難所までついでに送ってあげるわ。」

 低く落ち着いた声。それにその顔。その強大な力。
 それは家の伝承に語られる“xxxxx”に驚くほど似ていた。
 何よりあの時私の脳裏に浮かび上がった江戸時代の光景に。私に笑いかけて、手を差しのべてくれたあの人に……とてもとても似ていた……

「その必要は無いわ。あなた達あの人達を送ってあげて‼」

「了解しました隊長」

 ちっ、会いたくないやつが出てきた。こっちは終わったんだから最強戦力のあんたは別の所に行きなさいよ。

「久しぶりね美琴さん。それにそっちの娘ははじめましてかしら。魔物退治ご協力ありがとうございます。それにしても美琴さんその力……隠れて特訓でもしていたのかしら? 子供は遊んでいれば良いって言ったのに……そんなに私達大人は頼りにならないかしら?」

「……っく。これは借り物の力よ……」

「借り物? まあ、良いわ。一緒に本部の方に来て貰えるかしら? そちらの貴女もご一緒に」

 この状況で行かない選択肢があるのかしら?
 全く相変わらず気にくわないやつね。



 懐かしくも苦い記憶が甦る場所が近づいてきた。二年ぶりに見るそこは苦い記憶で染まってしまったが……それでもどこか懐かしい。
 そう、この看板だって……

 ――《魔法少女隊》本部。

 いや……何よこれ?
 うちの組織は『宝紡』って名前だった筈なんだけど。
 この看板を見た時私は一瞬本気で帰ろうかなって思ったわよ。
 何この名前? うちの組織は決してこんな日アサみたいな名前じゃないんだけど‼

「お嬢様……気持ちはわかります……」

「今更お嬢様呼びしなくても良いわよ。私はもうただの落ちこぼれなのだから」

「そんな‼ 私は今でもお嬢様こそが主に相応しいと」

 見ると最後まで私を見捨てず。母にも意見してくれた年老いた術師の方だ。
 でもこんなに小さい方だったかな?もっとずっと大きくて強くて……尊敬できる方だったのに。
 ごめんなさい、私が不甲斐なかったばっかりに。

「ごめんなさい」

 その年老いた術師に対してそう呟くので精一杯だった。



「今の方は……?」

「私に術の基礎を教えてくれた方。私の最初の師匠かな」

「へえ、なるほどね。(あの女もやるじゃない。そんな重要な位置にも手先を送り込んでるなんてね)」

 ん?
 後半がうまく聞き取れなかった。

「何か言いました?」

「いえ、何も言ってないわよ。それよりも目的の部屋が見えてきたみたいよ」

 この先の部屋?
 この先の部屋は確か……そう……そう言うこと。
 相変わらず悪趣味なやつね。

 私達の案内された部屋は第三会議室と言う看板が立っていたが……かつては私の部屋だった場所だ……

「どうかしら? 懐かしい場所の方が貴女も落ち着くと思ったのだけれど?」

「ええ、お気遣いありがとう……」

 ふふふ……私達は招かれざる客ってことね。
 ええ、そうでしょうね。今は大規模襲撃の後始末をしなきゃいけないときでしょうし。



「さて美琴さん。久しぶりに会った貴女と話したい気持ちもあるのだけれど。先にそちらの方を紹介して貰っても良いかしら?」

 私が紹介をしようと思ったが、英雄の面影を宿す少女の事をそもそも何も知らない事に今更ながら気がついた。
 いくら隠された名前だっていっても「xxxx」なんて紹介も出来ないし。
 そんな悩む私を置いて彼女は自己紹介を始める。

「私の名前はジェリー。この地を護ってきた宇根家の次期当主アルラの名代として参りました。多忙のわが主にかわりましてこの地を護る一助となれば幸いです」

「アルラさんの? そんな話しは聞いていないが。そもそも彼女とはもうずっと連絡がとれていなかった筈」

 ああ、そうか……あんたは元々この地を護ってきた存在じゃないからその名前を聞いても何も思わないのか……
 アルラさんの名代なんてどう考えてもあり得ない。だって、宇根家の関係者ならそんな名前をつける筈無いでしょう?
 ほら、あんたの回りのいるやつらもその名前を聞いたら顔色が真っ青になった。
 唯一変わって無いあんただけがそんな顔をしていられる。

 私達は必ずこう聞いて育つ。

「悪いことをするような子供は、大妖じぇるりが来て食べてしまうぞってね」

 家の伝承に語られる“存在を抹消された英雄xxxx”と相討ちになった、伝説の魔物。
 その名こそが――じぇるり。
 かつて江戸の世に数十万とも言われる程の被害をこの地にもたらした大妖だ。
 子供の頃から聞かされる陳腐化した話だが。
 関わってきたものは今でもその名前を聞くと身構えてしまう。
 それを連想させる名前をつける筈が無いじゃない。

(でも、どうして……その名前を……? 宇根家を知っているのならその名前も知っている筈なのに)

 あの女だけが、その意味に気づかない。
 いっそ「xxxx」をもじった名前にすれば良かったのに。
 両親は既に完全に引退し、伝承の細部まで覚えている者はもう残っていなかったからだ。
 恐らくこの場所で知っているのは私だけの名前の筈。
 でも、それを選ばずじぇるりをもじった名前を選んだ。その意味を。

 ほら、私を裏切ってあんたについた取り巻き達が。忠告してくれてるわよ? それを聞かなくて良いのかしら?

「君の力は確かだ。しかし……確認しようにも宇根家にも連絡がつかないし。あまりにも出自が不明だな」

「あら? 宇根家で預かっていた。代々の当主様の力を抑えていた術具である鈴じゃあ証明にはならないかしら?」

 そう言って私が持つ鈴を指し示す。
 これも嘘ですね。確かにこの鈴は私にとってかけた一部であると感じる程良く馴染むけど。
 あくまでも私に馴染むだけで、うちの一族とは関係無いだろう。
 もしかして私の力の一部を子供の頃にでもこの鈴に封印したのかしら?
 どちらにせよ私ですら知らないことだ。
 宇根家にそのようなアイテムがあるのだったらはじめから私に渡せば済むこと。
 そうすれば順当に私が主になっておしまいだった筈。
 でも私は笑うだけに留める。
 さもその話が真実であるとでも言うように。

 あの女が、瞳を細めてジェリーと名乗った彼女を見据える。
 ふふふ……悩みなさい。

 でも、あんたは切れない。町を襲った魔物の大群の後。
 組織は人手不足でしょう?
 今も猫の手も借りたい筈よね?
 戦える者なら誰でも喉から手が出るほど欲しい状況。
 なおかつあんたに匹敵する程の力を得た私と。
 あんたをも凌駕するかもしれない程の力を感じさせるジェリーさん
 切れるわけ……無いわよねぇ?
 ましてや確認がとれないとは言っても宇根家って言う名家の名前も出てきた。
 嘘だったら良いけど。もし本当だったら問題よねぇ?

 そしてくだされた決定は――。

「ジェリーさんを臨時戦力として迎え入れる。ただし、確認がとれるまでは監視は必要だ」

「監視は構わないけど。私だってうら若い女の子なんだから。男は嫌よ。出来れば年も近いし友達になった美琴さんだとありがたいけど?」

 会議室に静寂が落ちた。
 ふふふ……私が選ばれた。
 嬉しい。とっても嬉しい。
 でも、あんたは飲める? そもそも私だって監視したい位でしょ?

「よろしい。監視役は二名でどうかしら?
 一人は当組織の人間であり、ジェリーさんの推薦にあった……美琴、お前だ」

「承知しました」

 今さらっと私を組織の一員にしたわね。
 ジェリーさんがいるなら構わないけど……
 でももう一人? あんたの懐刀のニーアでも出す気? 彼女レベルであんたに心酔してないと私を前にしたらジェリーさんの監視なんて出来ないと思うけど。

「そしてもう一人は、政府の直轄監査官として派遣された女性、
 ――千葉奈津紀(ちば なつき)」

 黒髪の女性が静かに席から立ち上がり、礼をした。
 その鋭い眼差しは、獣を狩る狩人のそれにも似ている。
 へえ、組織の外……それも政府の息のかかった人間をこっちに押し付けようって魂胆ね。

「危険と判断されれば即座に排除します。それが私の任務です」

 千葉と名乗った女は、害意も隠さずに私達に向かって微笑む。

「お好きにどうぞ。私は――隠すつもりも騙すつもりもこれっぽっちも無いんだから」

(嘘だ。絶対に隠してる……名前の時点でもうバレバレなのに……)

 胸の鼓動が早まる。
 かつての“xxxx”が命を懸けて倒した魔物と似た名前を名乗る怪しい女。
 なのに私は、その手を振り払うことができない。

 たった一度、私を救ってくれた。それだけで――

 私の魂はまるで彼女に魅入られてしまったようだった。



 こうして私は、半ば強制的に《魔法少女隊》へ復帰することになった。
 いや……この名前についてだけは思うところがあるけど。
 終わった私が、政府監査官とジェリーさんという危険極まりない存在の二人とチームを組むなんて、誰が想像しただろう。

 だが、もっと予想外だったのは……ジェリーさんが時折見せる“人間らしい戸惑い”や、“私を見て何かを思い出しているような優しい表情”だった。

(ジェリーさん……あなたはいったい? いつか私にも話してくれるのかな?)

 もっともその時に、例え貴女がどんな話をしたとしても。私は貴女と敵対することだけは出来そうに無いかもね……


※4日で区切りが良いところまで本当に行きますかこれwww
まあ、あくまで美琴さん視点だけだから良いか。
ギャグパートは抜かしてシリアスだけで行けばワンチャン

それにしても、美琴さん視点から見るとエイダさん本当に悪いな……
実際は思わせぶりな態度をとってるだけで善意100%なのに💦

それにしてもここまででもう7千文字以上かwww
起承転結の起でしょ組織に入隊ってΣ( ̄ロ ̄lll)

呪文

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