「……えっ?」

乾いた落ち葉を踏みしめる音が止まり、少女が顔を上げた。
金色の髪に大きな赤いリボン。見覚えのある青い瞳が、信じられないものを見るように大きく見開かれる。

「……カナタ? 本当に、カナタなの?」

少女——ニーナは、膝をついたまま呆然と僕を見つめていた。その瞳には、かつての幼なじみの面影がはっきりと宿っている。

「久しぶりだね、ニーナ。……何年ぶりだろう。君は全然変わらないな」

「変わらないのはカナタのほうだよ! 急に居なくなったと思ったら、こんなところで……。夢じゃないよね?」

彼女は恐る恐る手を伸ばし、僕のコートの袖を掴んだ。確かな感触を確かめるように、ぎゅっと指先に力がこもる。

「夢じゃない。少し遠回りをしていたけれど、ようやくここに戻ってこれたんだ」

「遠回りすぎだよ。私、ずっとこの森を通るたびに、もしかしたらって思ってたんだから」

ニーナの瞳に、じわりと涙が浮かぶ。彼女は慌てて袖で顔を拭い、照れ隠しのように唇を尖らせた。

「……ねえ、何から話す? 聞きたいことが山ほどあるんだよ。どうして黙って消えたのかとか、そのエンブレムはどこの学校のものかとか!」

「はは、そうだね。まずは……僕がいなかった間の、この森の話から聞かせてもらおうかな」

僕は彼女の隣に腰を下ろした。舞い落ちる紅葉が、止めていた僕たちの物語を再び動かし始める。

「いいよ。でも、すっごく長い話になるから。覚悟してよね、カナタ!」

呪文

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