理久さんの怪しいドリンクの出張販売

スーパーちちぷい——
地域密着型のごく普通のスーパー。
……のはずが、今日は妙に人だかりができていた。

「本日限定！ 新商品コーナーはこちらでーす！」

明るい声が響き、
エプロンを着た理久が、堂々と立っていた。

白衣のまま、エプロンを重ね着している。

桐島（買い物に来ていた）：
「……なんであんたスーパーにいるの？」

理久：
「ちちぷい側から依頼が来てね。
“地域発の新しい健康飲料を出したい！”って！」

桐島：
「なんで理久に！？」

理久：
「さぁ？ 多分、噂が広まったんだろう。
私が“未知の味を生み出す天才”だと！」

桐島：
「悪い意味の噂だと思うけどなぁ……」

理久の横のワゴンには、
見覚えのあるドリンクがずらりと並んでいた。

新商品ラインナップ

●仮試作品その3『ウルトラ乳製エナジーG3』
パッケージ：白とピンクで怪しいオーラ。
効果：元気が出る（出すぎる）。

●理久特製『ミルク・オブ・ミステリー改』
牛乳のようで牛乳でない何か。

●試験飲料 No.7『くるくる☆脳活ブースト』
飲むと気持ちが軽くなるが、笑いが止まらない副作用あり（非公開）。

●新作！『母乳成分に近い再現牛乳・すずねスペシャル』
なぜか“すずねスペシャル”の名がついている。

桐島：
「これ……売っていいの！？
前に暴走して泡吹いたやついなかった？」

理久：
「成分は改良済みだ！
爆発も起きない！！（たぶん）」

桐島：
「たぶんって言った！！」

そこへ柚月が買い物カゴを持って登場。

柚月：
「あれっ？ お姉ちゃん？
……なんで“販売スタッフ”してるの？」

理久：
「地域貢献！」

柚月：
「ぜったい違う……！！」

■ 試飲コーナーが混乱

理久：
「はいそこの奥さん！一杯どうぞ！！
これが最新の“脳みそ元気ミルク”！」

通りかかった主婦：
「元気……ミルク……？？（不安顔）」

桐島（小声）：
「やめといたほうが……」

主婦：
「あ、あの……じゃあ一口……」

ゴクリ。

主婦：
「あれ……？　なんか……気持ちが……
……あはっ……ふふっ……あはははははは……」

桐島：
「笑い止まらなくなってるじゃない！！」

理久：
「副作用というほどじゃない。ただ……楽しくなるだけだ。」

柚月：
「それ副作用です！！」

■ スーパー店長の登場

店長：
「理久さん！商品、めちゃ売れてます！！
お客様が“よく分からないけど効きそう！”って！」

桐島：
「消費者！騙されるなぁぁぁぁ！！」

柚月：
「店長さんも止めてよ！！」

店長（ニコニコ）：
「いやぁ、売れるからいいんですよ！」

■ その後

ニュース速報：

『スーパーちちぷい限定ドリンクがSNSで話題。
“なんか元気出る”“世界が楽しく見える”と口コミが拡散。』

理久（ドヤ顔）：
「ふっふっふ。私の研究が世界を変える日も近い！」

桐島：
「やめて、違う方向に変えそうだから……」

柚月：
「……もう“ちちぷい”が“ちちぷいラボ”みたいになってる……」