突如轟音とともに壁が破壊され、赤毛の尼僧が目の前に現れる。ぬるりと音がきこえるような動きで。
「ッ越夜隊!」
ぼくはとっさに武器を構える。イーサーはこわばった表情で越夜隊員をにらみつけている。
「どうしたイーサー? 大丈夫か?」
「…まさかキミが来てるとはね」
イーサーの言葉は越夜隊に向けられている。
「お久しぶりですね。イーサー」
甘ったるいが邪悪な声だ。虫を踏みつぶしてしまったときのような嫌な感覚がする。
「知り合いなのか?」
「ボゥス・アンパサンド」イーサーは絞り出すように言う。「元黄昏梟所属。わたしのかつてのパートナーだよ」