小説『魔法兎のちゃらうぇい』【ニャンノ世界】

【絵物語】
『魔法兎のちゃらうぇい』

ちゃらうぇい はギャルの前に現れ
ギャルノ文明の伝道者である。

軽薄そうに見えて頭脳明晰なのは
ウサギと亀の頃で、悔しい思いをしたためである。

それから、彼は猫神ニャンノ伝説の言い伝えがあるニャンニャンダ島で修行および、世界数多の島と山にて…亀にも負けない強靭な心と覚悟を習得したのだ。

彼の目的、其は
終末事変にて荒廃してしまった
ギャルノ文明復興のために、
同志を集める必要があったのだ。

ギャルノとは単なるギャルではない！
星の如く輝きをもった、スーパーパワーを有するギャル、それがギャルノである。

プリクラを撮れば
魔法奏者になれる☆

しかし、ストレートに
某魔法生物のようなことを
願ってもギャルの心は
鋼鉄のように硬く
仁義に溢れている。

まさに、仁義ある対話が
必要とされていた。

だからこそ、覚悟を、黄金の輝きたるものを胸に秘めて
ゲームセンター幻夢銭でゲームを楽しんでいるギャル達に声をかける。

「ミーと一緒にプリクラ撮らない？」

覚悟、緊張ドキドキ、
チャラさは修行によって鳴りを潜め恥ずかしさが心の中でガソリンの如くドクドクとエンジンを高鳴らせる。

(逃げるな、逃げちゃラビットだ)

ー覚悟の時間ー

それは刹那的でありながら、
その刹那こそ、意識すればするほどに永くスローモーション的に流れていく群像劇だった。

「わっ、なつ森に出てきた住民に似てんじゃん、可愛い」

「おっふ、いや…やめろい…」

「わぁ、可愛い人形さんみたい」

ギャル、手強し、そして、侮りがたし、既に装着していたチャラさの仮面は剥がれ、なされるがままに、プリクラを一緒に撮る
ちゃらうえい

「契約完了だうぇい☆」

「契約完了だって、何だろうね」

「あっえっと、それはその…」

抱っこされながら、アワアワする
ちゃらうぇい…

「なに、聞いたげるよ」

「えっと、魔法奏者になってくれますかね…」

断られる…
脳裏でイメージし、浮かぶ、
拒否の顔、それは彼にとっての悪夢であった。

ギャルはオタクに優しい…
それは幻想だ。
感情表現がストレートだからこそ、その心というものが、ダイレクトに伝わるからこそ、フィクションに現れるだろう。

既にちゃらうぇいはムチギャル達に圧倒され小さくなるのを感じていた。

存在感のでかさ、圧倒的なキャラ力にアワアワして、涙を流す

せめて、言葉をお願いしよう

ダメ元で…と、彼は、ムチギャル達に神に手を合わせ祈るかのように…

「魔法奏者になって、お願い♪」

自分が情けないと、心はまさに敗色濃厚だった。
いっそ、修行しなければよかったのかと、己を責め、嘆きの深淵に陥ろうとする、その時！

「いいじゃん！うちらの街、怪異や事件でいっぱいで辟易してたし、乗ったげる」

「うんうん」

「みんにゃ…じゃなかった、ありがとうございます、不束者の自分ですか、皆さんのお役に立てるよう頑張ります、自分の名前は ちゃらうぇいです」

「ちゃらうぇいくん、よろしく」

ギャル達と契約を果たすことができた。

彼は日記にて振り返るが、おそらく、ギャップに魅力を感じたのだろうと考察する。
だが、油断してはならない、ノリに乗ってしまい浮かれては、再び、ギャルノ文明は滅亡してしまう。

だからこそ、彼、ちゃらうぇいは、修行してきた日々に誓った、
復興不屈の信条で、励み続けるのだった。

(猫メモ)
テトラポッドさんの作品
『ムチムチギャルズ』
https://www.chichi-pui.com/posts/b93e676d-8ced-45b2-8c7a-a3a70f10068e/
を鑑賞し、ギャル達にとっての魔法生物はどんな姿だろうと、想像が膨らみ生成しました。
物語では、チャラさとウェイさを出してみようと試みるも、彼女達の存在はチャラさの仮面を剥がし修行僧でヘタレなウサギになり、化学反応が起きたもので面白かったです(о´∀`о)