不幸の幸子ちゃん〜さよならヘビ神様編〜ep.3 炎上！恐怖の調理実習〜さよならヘビ神様

ep.1
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ep.2
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調理実習室。幸子の班はハンバーグを作っている。幸子は緊張した面持ちでフライパンを握っている。

幸子「（よし、今のところ順調……！ 火加減さえ間違わなければ……！）」

しかし、コンロの炎の中に黒蛇の影が揺らめく。

黒蛇「ヒャハハ！ 燃えろ、全て灰になれ！」

突如、コンロの火が爆発的に燃え上がり、天井まで届く火柱となる。クラスメイト達は悲鳴を上げて逃げ惑う。

幸子「きゃああっ！ 火が、火が消えないよぉ！？」

黒蛇「さあ、絶望に顔を歪ませろ、緑髪の娘よ！」

3枚目、4枚目
逃げ遅れた幸子に、黒蛇が操る炎の塊が襲いかかる。幸子が目を瞑ったその瞬間、白い光が幸子の前を遮った。

ヘビ神様「させるかぁぁぁ！！」

ヘビ神様が身を挺して炎を受け止める。

幸子「えっ……？ 白い……ヘビ？」

ヘビ神様「ぐうぅ……！ さすがに封印が解けたばかりの邪神の炎、熱いじゃないか……！」

黒蛇「白蛇！ 邪魔をするな！ お前ごと焼き尽くしてやる！」

ヘビ神様「（このままでは幸子が死んでしまう……。私の12年に1度の力、全て使い切るしかないか……）」

ヘビ神様は全身を眩い光に変える。それは、幸子に不幸を与えるために溜め込んでいた力の全てだった。

ヘビ神様「黒蛇よ、再び封印されるのだ！ 『大厄災封印（スーパー・アンハッピー・シール）』！！」

黒蛇「な、なんだこの力は！？ お前、神としての命を削ってまで……馬鹿なぁぁぁー！！」

光の渦が黒蛇を飲み込み、黒い霧は調理室の炊飯器に収まり、再び封印された。 調理実習室の火は消え、静寂が戻る。しかし、力を使い果たしたヘビ神様の体は透け始め、今にも消えそうな状態。

幸子は、目の前で透明になっていく白蛇を見つめる。

幸子「あ、ありがとうまた助けてくれたの？その時々見える白蛇のあなたは・・まさか、小さい頃に白蛇神社で会ったあの時の・・？」

ヘビ神様「ふふ・・思い出すのが遅いよ、幸子・・」

ヘビ神様の声は、幸子の頭の中に直接響くが、とても弱々しい。

ヘビ神様「勘違いするなよ・・お前をいじっていいのは・・私だけなんだ・・。他の誰にも・・渡したくなかった・・だけだ・・」

幸子「ヘビさん、体が消えかかってる……！ 死んじゃうの！？」

ヘビ神様「力を……使いすぎた……。さようなら……幸子……。これからは……普通の女の子として……幸せに……なり……な……さい……」

最後の言葉を残し、ヘビ神様は光の粒となって空気に溶け、完全に消滅した。

幸子「ヘビさん……！ ヘビさーーん！！」

数日後。 幸子は通学路を歩いていた。空は快晴。

幸子「（あれから、不幸なことは一度も起きてない。トーストも焦げないし、信号も全部青……）」

幸子は空を見上げる。

幸子「私、本当に普通の女の子になれたんだ。……でも、なんだか少し寂しいな。あんなに迷惑だったのに、命をかけて守ってくれるなんて……」

しんみりした空気で歩き出したその時。

バシャッ！！

晴天なのに、どこからともなく飛んできた泥水が、幸子の顔面を直撃する。

幸子「ぶはっ！？ 冷たっ！ な、何！？」

？？？「あーっはっは！ 油断したな幸子ー！」


幸子「えっ！？ ヘビさん！？ き、消えたんじゃ！？」

ヘビ神様「消えた？ バカ言え！ 神様はそう簡単に死なん！ ただのガス欠だ！ 数日休んでチャージ完了したわ！」

ヘビ神様はニヤリと笑う。

ヘビ神様「『幸せになりなさい』と言ったな？ あれは嘘だ。 感動して損したな！ お前の不幸な顔を見ないと私が元気出ないんだよ！」

幸子「そ、そんな〜〜！！ 私の感動を返してよぉ〜！！」

ヘビ神様「さあ、第2ラウンドの始まりだ！ 今日は上履きの中に画鋲を入れておいたぞ♥」

幸子「地味に嫌なやつー！！ ふざけるな〜もう、最悪〜〜！！」

というわけで、幸子の不幸は続行しますw
ヘビ神様の力は弱まったが、幸子の不幸のレベルは対して影響はないようですw

ヘビ神様と幸子のストーリーひとまず完結！