ウサギ族の勇者と魔王

異世界にやって来たウサギ族の女の子。
ウサギ族は元来臆病で有名である。
しかし、異世界に「転送」されたうさぎは、元の世界に居た時の自分とは違う何かを感じていた。
心の奥底から、なんだろう・・・勇気のような・・・何か・・・。

この世界には獣人族がのんびりと平和に暮らしていた。
しかし、そんな平和な彼らの前に突如として魔族が現れ、獣人たちを襲い始めた。
獣人族も必死に抵抗したが、元々のんびりした種族であったが為に、魔族に太刀打ちできようはずもなかった。

そんな中、獣人の村長がひとりの見慣れない長い耳を持つ女の子が、魔族の攻撃を尽くかわす所を目撃する。
「あの、少女ならば・・・・。」
獣人の村長は、うさぎの少女を呼び止め、村に古くから伝わる剣「ファイヤーソード」を手渡すと、
「もう、頼れるのはあなたしかいません、どうか、この先の洞窟に居るとされる魔王を倒してくだされ。」
その時、うさぎの少女は、何故、自分がこの世界に「転送」されたのかを理解した。
「わかりました。私を信じて待っていてください。」
そう言ってうさぎの少女はファイヤーソードを高く掲げた。
すると、ファイヤーソードのブレイドが真っ赤な炎に包まれた。
「すごい、何だか勇気がどんどん湧き出してくるよう・・・・これなら、勝てる。」

うさぎの少女は洞窟（ダンジョン）に入ると大量の魔族の襲撃を受けた。
しかし、ウサギ族が持っている俊敏性と跳躍力により、魔族の攻撃は当たらない。
魔族の攻撃をかわしながら、ファイヤーソードで焼き尽くしながら切り刻んでゆく。
「これが、本当にうさぎの私なの・・・・凄い！！」
うさぎの少女は洞窟の最下層に到達した。

洞窟の最下層部は静まり返っている。
「魔王はどこ・・・？」
すると、背後から忍び寄る、邪悪な気配を感じた。（このシーンの絵です。）
魔王には武士道精神などというものはない。
どんなに卑怯な手でも相手を仕留める事が出来ればそれでいいのだ。
魔王は背後から強力な攻撃魔法を打って来た！！
・・・・が、うさぎの少女は邪悪な気配を感じていた為、難なくかわす。
魔王は魔法を連発するが、うさぎの少女にはかすりもしない。
「貴様！！何者だっ！？？」
その瞬間、うさぎは身体を翻し、魔王にファイヤーソードの切先を向けた。
「わたしは・・・。」
うさぎの速さに魔王はかわす事が出来ない。
「只のうさぎよっ！！！」
ファイヤーソードとうさぎの少女が、魔王の胸を貫く。
「ぐぉぉぉぉぉぉ～っ！！！」
断末魔の叫びと共に、魔王の身体が気化してゆく。
「やった・・・・。これでこの地域に平和が・・・。」
しかし、まだ魔王の一人を倒したに過ぎなかった。
「魔王はまだこの世界には大勢いる、私の戦いはこれからよ。」
そう心に決めるうさぎの少女だったのだが・・・・。

獣人族の村に帰ったうさぎの少女は、大変感謝され、その夜、村をあげての宴会となった。
うさぎの少女は村人たちに、自分は異世界から来た事を告げた。
うさぎの少女が言った。
「村長、私が何故、この世界に転移させられたのか、わかった気がします。きっと、神様がこの世界の人々を救うようにと私を・・・・。」
すると、ウサギの少女の話を遮るように村長が話始める。
「そう言えば、あなたが来る前に、何やら変わった風貌の少女が、胸に黒い箱に黒い筒が着いたもの（カメラ）をぶら下げて独り言を言っておりました。」
うさぎの少女は村長から話を詳しく聞くことにした。
「え～っと、確か、・・・・・名は二面同子と申しておりましたかのう。」
うちの子ならだれでも知っているその名。この瞬間、うさぎの少女は嫌な予感を感じた。

二面同子「やっばぁ！！相反するものとして、刑務所に居るポンコツうさぎと真の勇者が出て来たんだけど、突然、二人が（融合）しちゃったんだよね～。たまに特殊能力が暴走しちゃうんだよなぁ・・・。何だかこの世界に飛ばされちゃったみたいだけど・・・私、しぃ～らないっ！！」

そう言って、二面同子は消えてしまったらしい。
「あいつの仕業かぁぁぁぁぁぁぁ～っ！！！！！！」
怒り心頭のうさぎの少女。
「二面同子・・・叩き切る！！！」
そんなうさぎの少女の前に、獣人族のお城からの使者が現れた。

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二面同子とは
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