一面の銀世界。キーンと冷えた空気の中、幼馴染の奏汰(かなた)と結衣(ゆい)は、雪道をゆっくりと歩いていました。

「……ねえ、奏汰。さっきから黙り込んでどうしたの? 寒さで口が凍っちゃった?」

結衣が青いチェックのマフラーに顔を埋めながら、上目遣いで覗き込んできます。

「いや、別に。ただ……お前、その格好、寒くないのか? 手、真っ赤だぞ」

「あはは、バレた? でも大丈夫。こうしてると結構あったかいんだから」

結衣は「えいっ」と小さく拳を握り、目の前で振ってみせました。

「ほら、見て。冬の魔法! 息が真っ白だよ」

「魔法っていうか、ただの物理現象だろ」

「もう、夢がないなあ。……あ、そうだ。奏汰のポケット、ちょっと貸して」

「は? なんでだよ」

「いいからいいから!」

結衣は強引に奏汰のコートのポケットに、自分の右手を滑り込ませました。

「うわっ、冷た! お前、氷点下かよ!」

「ひどい! でも、奏汰の手はすごくあったかいね。……これなら冬も悪くないかも」

奏汰は顔を背けながら、ポケットの中で小さく結衣の握り拳を包み込みました。

「……今回だけだからな」

「ふふ、ありがとう。じゃあ、家に着くまでこのままでいようね?」

夕暮れの雪道に、二人の笑い声と白い吐息が溶けていきました。

呪文

入力なし

夜空さんの他の作品

夜空さんの他の作品


関連AIイラスト

新着AIイラスト

すべてを見る