バイクに乗る くろほうちゃん

◆キャラクター概要：くろほうちゃん
・融合因子：黒色生体細胞（くろほう因子）
・役割：夜の調停者／“自由”と“欲望”の案内人
・特徴：
　・小柄ながら鋭い眼差しと挑発的な笑み
　・ツノのような細胞突起が頭部に現れている
　・愛車「ノクターナル・ファング」は彼女の分身
　・“ルール”ではなく“意志”で生きるを信条にする
🖤「スピード出すのは逃げるためじゃないよ。
風を切って、私の“本気”に近づくためなんだ。」

◆エピソード：「ブラック・ドライブ」
深夜2時、静まり返った《灰都市リメザン》。
かつて人工細胞に支配され、秩序だけが残ったこの街に、
くろほうちゃんは、ひとりバイクで乗り込む。
カスタムされた漆黒のバイク「ノクターナル・ファング」が
アスファルトを火花のように裂く。
🖤「整いすぎた街って、どうも息苦しいよね」
彼女の目的は――
この街に潜む「欲望を持てなくなった子供たち」の元に、
“走る衝動”の光を灯すこと。

◆転機：出会いと選択
廃ビルの屋上で、ひとりの少年と出会う。
少年「……何で、走るの？ どこにもゴールなんてないのに」
くろほうちゃん「ゴールは探すもんじゃない。走ってると、勝手に“ここだ”ってわかるのさ」
くろほう因子は、本能と野心に働きかける細胞。
だが、くろほうちゃんはそれを「暴力」ではなく
「自分を試す力」に変えてきた。
🖤「怖くても、走れば景色が変わる。
それだけで、今日をちょっとマシにできるんだよ」

◆クライマックス：夜明けの疾走
少年を後ろに乗せ、ふたりは夜の都市を疾走する。
カーブ、急坂、トンネル――
規則正しい街に、黒い軌跡が切り込んでいく。
🖤「ね、わかる？
走ってるあいだだけは、誰にも支配されてない感じ――」
夜明けが滲み始める頃、
少年は静かに言う。
少年「……また、走ってみたいと思った。明日も」
くろほうちゃんは笑い、アクセルを開ける。

◆余韻
🖤「欲望を持つのは悪いことじゃない。
ただ、それを“誰のために使うか”ってだけの話さ」
彼女は今日も、
“誰かの眠る街”の中を、黒い疾風となって駆けていく。