前回↓
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ハルネは家計を支えるため、黒髪に染めてファミレスでアルバイトをしていた。唯一その事を知るのはリーダー・フユキだけ。しかしある日、ドラマ撮影で黒髪にした姿をナツミに見られてしまい、疑念を抱かれる。そして——ついに、その瞬間が訪れる。


数日後、ナツミは仕事帰りにお腹がとても空いていたのでふらっと、スライマークレストラン東京ちちぷい店へ、あの「店員さん」を再び目にする。

ナツミ「(あれ・・やっぱり・・・)」

レジで会計をしているのは、あのとき見た“黒髪の店員”。その声、仕草、瞳の動き——どれもハルネと同じだった。

ナツミは確信した。

翌日、事務所の控室。

ナツミは周囲に誰もいないのを確認し、真剣な表情でハルネに向き合った。

ナツミ「ねぇ、昨日レストランにいたよね?その 黒髪で、エプロンしてたよね?」

ハルネ「・・知らないって言ってるでしょ。しつこい・・」

ナツミ「ハルネちゃん・・私、本当にバカじゃないよ?」

ハルネの動きが止まった。

ハルネ「なんで・・なんで知ってるくせに、追い詰めるのよ・・!」

ナツミ「心配なんだよ、当たり前でしょ!! 私たち、仲間じゃん!」

ハルネ「・・・仲間?アンタは何も知らないくせに・・!」

ハルネの声が震える。拳をぎゅっと握る。

ハルネ「私、バイトをやらなきゃ、アイドルの稼ぎだけでは家族を支えられないの!衣装も、自腹の部分多いの!・・私だけ、みんなみたいに余裕あるわけじゃないの!!・・家が裕福というキャラは強がりでやってしまって・・引くに引けないのよ・・」

ナツミは、何も言えなかった。目の前で、いつもツンと澄ましたハルネが、初めて“泣いていた”。

沈黙の中、ナツミがそっと言った。

ナツミ「ごめん。・・知らなかった。ちゃんと話してくれたらよかったのに」

ハルネ「言えるわけないじゃん・・言ったら、幻滅されると思ったから」

ナツミ「・・しないよ。ていうか、むしろ好きになるわ。そういうとこ」

ハルネ「・・は?」

ナツミ「だからさ!そういうとこ、カッコいいってこと!あーもう、言わせないでよ、恥ずかしい!」

ハルネはポカンと口を開けてから、ぷいっと顔をそらした。

ハルネ「・・・バカ」

ナツミ「うん、でも、私、ハルネちゃんの味方のバカだから」


別の日。フユキがハルネに声をかける。

フユキ「ナツミちゃんと、話せたのね」

ハルネ「うん・・まあ、ちょっとだけ、ね」

フユキ「よかった。少し、肩の荷が下りた顔をしてるわ」

ハルネ「・・ふん、別に。あいつが勝手に納得しただけ」

でもその言葉とは裏腹に、ハルネの目は少し赤く、口元には微かな笑みがあった。


強がりな少女が見せた、本当の涙。
その涙を知って、仲間は少し大人になった。
ハルネは、今日もステージへ向かう。
秘密があっても、Four seasonsの絆は壊れない。

呪文

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