雪国

マルチビタミンさんのユーザー主催企画「ちちぷい映画祭」に参加します。
https://www.chichi-pui.com/events/user-events/f6d0ebe2-babd-e752-6ae2-e93235a4b62e/

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「お次のお飲み物をお入れいたしますか・・・？ど・・・どうされましたか？どこか悲壮な顔をされておりますが。」
「まあ！明日、彼女さんにプロポーズされるんですね！気が早いですが、おめでとうございます・・・ええ、自分が本当に亭主としてやっていけるのか不安になってしまったと。」
「うーん、一世一代の決意ですものね。言葉で励ますのは簡単ですけど・・・お客様、それでは次の一杯は私にお任せいただけませんか？はい、ありがとうございます♪それでは少々お待ちくださいませ。」

・・・カクテル製作中・・・

「お待たせいたしました。雪国です。」
「日本人の方が考案されたカクテル、ということで有名ですね。1958年のサントリー主催のカクテルコンペで優勝されています。」
「はい！そんなに古い歴史あるカクテルなのですよ。考案者のバーテンダー、井山計一さんは90歳を超えてもバーテンダーとして働いておられました！」
「それでお客様にオススメさせて頂いた理由ですが・・・この井山さんのドキュメンタリー映画『YUKIGUNI』を見て思ったことがありましてね。」
「やはり、苦労された事も多かったようでして。奥様はお身体を壊されるほど家計を支えるための内職で働き詰めたとか、お子様達も家族で食卓を囲んだ記憶が無い・・・などの葛藤もあったようです。」
「それでも、遠方からも常連様が来るほどの人気を博しましたし、亡くなられてからも移転されながらも、ご長男がバーを引き継いで今日も営業されております。」
「私はご本人達とお会いした事が無いのでお気持ちは想像するしかありませんし、今から言う意見は極端かもしれません。それでも、私は何かを得たいのであれば、何かを差し出すしかないのだと思っています。」
「確かに奥様のお身体が壊れてしまったり、お子様との十分な時間は取れなかったのかもしれません。それでも、90歳を過ぎても仕事を続けられ、亡くなられてからも自分のお店をご長男が引き継いで今日も続いている・・・というのは代え難いものだなと思います。」
「お客様に当てはめさせて頂きますと、きっとご結婚することによる苦労やリスクもあるかと思います。それでも、それを差し出してこそ得られるもの、というのはきっとあると思いますよ。プロポーズを決意されるほどのご相手なのですから・・・ね。」
「ふふっ♪キザ過ぎたでしょうか？それでも、先ほどより随分良い顔をされていると思いますよ♪」
「はい♪決意を固められたようですね。暫しの間、お会いできる回数は減るかと思うので寂しいですが・・・便りのないのは元気な証拠と思わせていただきますね！またのお越しをお待ちしております♪」
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ちちぷい映画祭、まずはこの雪国にしたいな・・・と準備していましたが、キャプションに苦労して0時投稿は間に合いませんでした(-_-;)
井山さんや『YUKIGUNI』については、インタビューや記事が結構見つかったので、それを見ながら自分で考えたことをキャプションに混ぜていきました。

さて、雪国の作り方はキャプションに入れられなかったので。
ウォッカ、ホワイトキュラソー、ライムジュースをシェークした後、グラスの縁にグラニュー糖をつけて、最後にミントチェリーを沈めて完成です。井山さんは、上白糖をミキサーで潰したものを使い、グラスの外側にだけつけるこだわりがあったようですね。
味わいは飲みやすい方かなと思います。ウォッカの鋭い口当たりを、ホワイトキュラソーの甘味と、ライムジュースの酸味が合わさり、中口の飲みやすい感じにまとめられている感想。
そして、井山さん何とお酒が飲めないとのこと！え！それでこんなバランス良いオリジナルカクテル作っちゃうの！？と驚きますよね。

今となっては叶わないのですが、一度お会いしてみたかったなぁと思いますね。