可愛くなかった妹が可愛くなった

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ここからインスピレーションを得ました。


うちの妹は昔から自分に自信が持てない子だった。
ぱっとしない一重瞼、ギザギザの歯、そして愛想よくできない性格。

それらがかみ合い、どうしても印象が悪くなってしまう。
本人もそれを痛いほど自覚しているのがわかる。

学校では目立たない存在で、クラスの中心にいるタイプではなかったけれど、それでも妹は心を寄せている男子がいた。
その男子は明るくて、誰にでも優しいタイプ――少なくとも妹はそう思っていた。

けれど、ある日妹はその男子が友人たちと自分の容姿について悪口を言っているのを偶然聞いてしまった。
その日から妹のネガティブな性格にさらに拍車がかかるようになった。

以前から妹の自信のなさが気になっていた僕は、その出来事をきっかけに何かしてやりたいと思った。
妹は自分の外見を変えたいと心の底では思っているのだろう。
だから僕はメイク道具をプレゼントすることにした。妹の部屋にそっと入って、ラッピングしたメイク道具を手渡しながら言った。
「お前は本当は可愛いんだ。ただそれを知らないだけだよ。」
僕の言葉に妹は一瞬驚いたような顔をしたが、すぐに
「こんなのつかわねーよ、馬鹿か！」と悪態をついて部屋の奥に道具を放り投げた。

しかし、僕は知っている。
あの日の夜、妹は部屋の中で泣いていた。
枕に顔を押し付けて声を漏らさないようにしながら、
「もっと可愛く生まれたかった。可愛くなりたい。可愛くなれたら、あんな悪口絶対に言われなかったのに」
と叫んでいたことを。
僕はその声を聞いて胸が締め付けられるようだった。妹の気持ちは痛いほどわかるし、なんとかしてあげたいと思った。

翌朝、妹は見違えるように変身していた。
完璧なメイクを施し、僕がメイク道具と一緒に渡したガーリーなファッションに身を包んでいた。
薄いピンクのスカートに合わせた白いブラウス、そして髪も丁寧にセットされている。
妹は恥ずかしそうに頬を赤らめながら僕の前に立ち、「どう？」と小さな声で聞いてきた。

その瞬間、血のつながった妹ながら一瞬で心を奪われそうになった。
こんなにも可愛くなれるのかと驚いたし、何より妹が自分の力で前に進もうとしていることに胸が熱くなった。

僕は妹をじっと見つめながら、
「思った通り、お前は可愛いよ」と言った。

妹はその言葉を聞いてさらに顔を赤くし、照れ臭そうに笑った。
あの不器用で自信のない妹が、こんなにも輝ける存在になるなんて。これから先、妹が自分をもっと好きになれるように、僕はずっと応援していこうと思った。