【セナ】決意の光と影 ― 若き王子と騎士の誓い

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【小説家になろう掲載】きつね雨著：長生きTSダークエルフはひっそり暮らしたい〜今はごく普通の占術師なので、どうか放って置いて下さい〜本編①16 ありふれた日常よりインスパイア

「……ずっと前から暇さえ有れば眺めていた」
「はい」
　何を眺めていたのか、言わなくとも分かる。シーグリーンの瞳は過去と今を同時に見ているのだろう。
「セナの肖像画と、実際に出会った時の印象は余り変わらない。美しく、優しくて、精霊が舞い降りたと思ったよ。想像通りに崇高で遠い存在だってね。でも、話してみたら意外に悪戯好きだし、ヒト種みたいに喜怒哀楽もはっきりしてた。我等と同じ、感情のある者なんだと」
「その通りです」
「ロッタの話を聞いて確信したよ。セナはきっと……寂しくて、辛くて、強がってる。何度か悲しそうな表情を見たことがあるし、直ぐに消えてしまいそうな弱さも……」
　ロッタはこの時、レオアノの成長を強く感じた。元々優秀な王子ではあったが、若さを思わせる言動も多かったのだ。恋は人を強くする。想う相手が彼女であることは彼の運命に影響を及ぼすかもしれない。もちろん良い意味でだ。