小説『モザイクアートにゃ猫人形』【ニャンノ世界】

【絵物語】
『モザイクアートにゃ猫人形』

モザイクの甘さは心の甘さ
甘さは邪念、邪念は煩悩
反省するが、心の平穏
反省せぬは、心の混沌
ジェネリック・ネコノは
反省する、だからこそ、
完全なるモザイクアートで在る。

だが、他者はどうか？
不可能である、
モザイクアート展を開催すれば
煩悩にまみれた俗物達によって
破壊されることは確実だろうからな。

だからこそ、モザイクアートは
言葉の意味を理解した者によって
制作されなければ、高みにまで切磋琢磨することなどできぬだろうからな。

煩悩は広がりなど起こさぬ

むしろ、世界を狭量へと導く
破滅の物語でしかなかったのだ。

モザイクは大切だ

灰色の猫は

秩序を行使するが如く

一片、一片に世界たるものを
ピースとして当てはめていく。

1個、1個を大切に

そして、
ジェネリック・ネコノは
思うた。

それが、
もし、義務であるならば、

休息すべき時であり

手を動かしてはならぬのだと…

動かせば、心が疲れ

死んでしまうからだ。


だからこそ、

ジェネリック・ネコノは
動かない

不動の猫となる

それが、いかに大切なことであるか分かる人間は少なく

むしろ、人間が獣であると認識する者はどれほどであろうか。

獣は獣であることを自覚できぬように、人間も同じなのだろう。

鏡の姿を見て、自分の顔を認識し今、ある、実像を把握できぬうちは、暴言と暴力、戦争というものを起こすことでしか、ないものだから、灰色の猫は、悲しみしかないなと言っては、儚げな気分で作品制作に取り組む。


万が一にも、

それが灰色の猫にとって

利益たるものに繋がるのであれば、

動くのだが、

そうでない限りは

己の存在たるものは、

動かない

この世の節約という術を学んだからこそである。

だが、人間というものは
いつになく、どんよくで
浪費家なのだから、


滅びてしまっても
文句はないのでしょうから

と、ジェネリック・ネコノは

モザイクアートに影る闇を
目にして考え続ける。

〈この怪異に関して〉
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