炎の魔族とその従者

炎の魔族「ふんっ……人間など所詮この程度か……他愛もない」
従者「ハッ……炎の魔族の正当なる後継であらせられるお嬢様のお力を持ってすれば、この程度は造作もない事かと存じます」
炎の魔族「そうか………。魔王様も今回の働き次第では我らの一族の再興も夢ではないとおっしゃって下さった。ならば………このまま他の護衛部隊も潰していけば、我が悲願が叶う日も遠くはあるまい」
従者「お嬢様のおっしゃる通りかと……」
炎の魔族「ああ…………………………ところで…」
従者「ハッ！何でございましょうかお嬢様…」
炎の魔族「テメエ、さっきから人のことを何回『お嬢様』呼ばわりしやがった。俺は男だって言ってんだろうが」
従者「もちろん存じております。ですが……お嬢様はそこいらの女共よりもよほど可愛らしいので……」
炎の魔族「てか、そもそも……何で戦闘服がいつもドレスなんだよ！今日なんかゴスロリのドレスじゃんか！」
従者「はい、大変可愛らしゅう存じますお嬢様」
炎の魔族「可愛らしゅう存じます、じゃねえんだよこのアホ‼」
従者「まあまあ、そうおっしゃらずに……。そもそも、炎の一族が取り潰しになったのもお嬢様が魔王様の求婚を蹴ったのが原因ですし……」
炎の魔族「男の俺に求婚してきたあのエロ親父が悪いんだろうが！」
従者「いけませんよお嬢様、仮にも魔王様に向かってエロ親父などと……」
炎の魔族「事実じゃねえか！呼び出したと思ったらいきなりドレスに着替えろだの！我が妻になれだの！挙句の果てにあのクソエロ魔王、人のケツ触ってきたりスカートめくってきたり！」
従者「だからと言って、魔王様に向かって究極爆炎滅却魔法『インフェルノブレイズ』を放つのはどうかと……。それで怒った魔王様が炎の一族の取り潰しを決定されたのですから」
炎の魔族「………なあ、よくよく考えてみたら……魔王のエロジジイを殺した方が良い気がしてきたんだが……」
従者「無理ですよ。魔王様もメチャクチャ強いのに、魔王様を守る四天王、更に引退したはずの鬼神と呼ばれた老兵も参戦しておりますからね。わたくし達では魔王様に近づくことも出来ません」
炎の魔族「チッ……。しかたがねぇ！とりあえず人間滅ぼしに行くか！」
従者「かしこまりましたお嬢様。……………あとお嬢様、途中から素が出ていましたので、もうちょっとクールかつミステリアスにお願いします」
炎の魔族「うっせえなぁ‥……てか、お嬢様っつ～な！」