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【マタタビ】5.星の樹の情報
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部屋に一匹残された俺が、豪華なソファーの上でゴロゴロしながら待っていると、メイド服を着せられたシロが、ラポームと一緒に部屋に戻ってきた。
「どうかな? クロ」
シロは、着慣れない服にソワソワしているようだった。
「いいんじゃないか?」
俺は、当たり障りのない返事をする。
「とてもよくお似合いですよ、お嬢様!」
ラポームは、そう褒めているが、俺からすると、メイド服を着こなしているというよりも、着せ替え人形のようだった。あえて、口にはしないが。
「それでは、ご主人様。お嬢様をしばらくお預かりします」
ラポームは、俺に向かってお辞儀をする。
「ああ、よろしく」
俺は、短く返事をし、シロに声をかける。
「頑張れよ、シロ」
「私、頑張る」
シロは、両手で握り拳を作り、力を込める。シロのやる気は、十分だった。
「さて、お嬢様。……いえ、これから一緒に働くのですから、シロさんとお呼びしましょうか」
「うん!」
「シロさん。お仕事中の返事は、『はい』ですよ」
「はい!」
さっそく、シロはラポームから注意された。
「それでは、シロさん。まずは、お皿洗いから始めましょうか」
「うん!」
先が思いやられるが、こうしてシロの初仕事が始まった。
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(次の話)
【マタタビ】7お仕事奮闘中
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