銭函海岸・3回目の練習
レイは約束通り娘たちを連れてきた。
乱麗は黒のポニーテール。
未麗は黒髪ロング。
二人ともマーズ仕様のタフスーツ。

愛「わぁ!」
う「来た来た!」
美「火野家増殖中www」
ま「全員マーズだw」
乱「海だー!」
未「意外と波あるね。」
愛「今日は昨日より穏やかかな。」
しばらく練習。
ブイ回り。
方向確認。
波への対応。
愛子が指導している最中。
ふとレイを見る。

愛「あの……」
レ「?」
愛「レイさんの旦那さんのらんまさんって……」
レ「ええ。」
愛「水泳部でしたか?」
レ「そうだけど?」
ぽかーん
愛「えっ。」
レ「?」
愛「私……らんまさんと同じ高校だったかも。」
全員「えええええ!?」
う「まさかの後輩!?」
美「そんな展開ある!?」
ま「狭いな世間w」
愛「高校の時、弱かった水泳部を全国レベルに引き上げた人がいたって聞いてて……」
レ「……。」
愛「伝説みたいになってたんです。」
レイはスマホを取り出す。
レ「写真見る?」
愛「ぜひ!」
スマホ画面。
高校時代のらんま。
赤髪おさげ。
表彰台。
チームメイトに囲まれている写真。
数秒停止。
愛「あ。」
レ「?」
愛「あああああ!!部室に貼ってあった写真と同じだ!!」
う「マジかwww」
美「本当に後輩じゃんwww」
亜「偶然とは思えませんね。」
レ「じゃあ愛子さんは。」
愛「はい。」
レ「らんまの後輩になるのね。」
目がキラキラ。
愛「会ってみたいです!!」
乱「じゃあ今日来ます?」
愛「え?」
乱「ウチ。」
愛「いいんですか!?」
レ「そういえば愛子さん。」
愛「はい?」
レ「家どこなの?」
愛「星置です。」
レ「……。」
未「……。」
ま「……。」
未「近いじゃんwww」
ま「行くべwww」
う「行くべ行くべwww」
美「後輩認定されたしねwww」
愛「本当に行ってみたいです!」
亜「そういえば。」
愛「?」
亜「お仕事は?」
愛「漁師です。」
全員「え?」
愛「父も祖父も漁師で。私も船に乗ります。」
う「だから海が好きなんだwww」
ま「そりゃそうだw」
美「生まれた時から海が職場じゃんw」
未「強い理由がわかったw」
乱「勝てる気しないw」
愛「海は遊ぶ場所でもあるけど。私にとっては生活の一部なんです。」
レ「なるほどね。」
愛「だから。らんまさんにも、この海を好きになってほしいです。」
その頃。
火野神社。
ら「くしゅん!」
麗「風邪?」
ら「違う。」
嫌な予感しかしない。
ら「絶対どこかで俺の話してるだろ……」
麗「たぶんしてる。」
ら「だよなぁ……」
そして数時間後、まさか高校の後輩が神社にやって来るとは、この時のらんまはまだ知らないのであった――。

銭函海岸 練習終了後
レ「じゃあ、そろそろ帰る?」
愛「はい!」
う「愛子ちゃん、テンション高いw」
愛「だって!高校の時から名前だけ知ってた先輩ですよ!?」
美「どんな話だったの?」
愛「私が入学した時には卒業してましたけど。」
愛「部室に写真が貼ってあったんです。」
ま「へぇ。」
愛「全国大会出場。学校記録更新。弱かった水泳部を立て直した主将。」
う「なんかすごい人になってるw」
レ「実際は。朝起きたら冷蔵庫のプリン食べてる人よ。」
全員 大笑い。
愛「えぇぇぇ!?www」
未「あと神社の池で居眠りします。」
乱「テレビ見ながら寝る。」
未「漫画読んで寝る。」
愛「伝説の先輩のイメージがwww」
レ「安心しなさい。会ったらもっと崩れるから。」

そして。
火野神社。
境内掃除中。
麗「あ。」
ら「なんだ?」
麗「車来た。」
ら「火野たちか。」
麗「知らない人いる。」
ら「?」
愛「ここが火野神社……」
う「いたいた!」
レ「らんまー。」
愛「え。」
ら「?」
愛「えええええええ!?」
ら「なんだ!?」
愛「写真の人だ!!」
ま「そりゃそうだwww」
美「本人だからwww」
愛「は、初めまして!枝野愛子です!○○高校水泳部の後輩です!」

らんま、ぽかーん。

ら「後輩?」
レ「あなたの伝説を聞いて育った子。」
ら「……。」
う「全国レベルに引き上げた伝説の主将だって。」
頭を抱える。
ら「やめろ。」
美「学校記録保持者。」
ら「やめろ。」
ま「部室に写真。」
ら「やめろって!」
愛子、キラキラした目。
愛「先輩!」
ら「はい。」
愛「今度一緒に海泳ぎませんか!?」
境内が静まり返る。
レ(来た。)
乱(来た。)
未(来た。)
美(来たw)
う(来たw)
亜(来ましたね。)
らんま、数秒沈黙。

ら「……考えとく。」
レイ、にやり。
レ(半分落ちたわね。)
海包囲網作戦は、少しずつ成功へ向かい始めるのだった。

呪文

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