最高の

MAO氏主催「あなたの最高の一枚」参加作品
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私は以前に「夢、見る？」という企画を　主催したことがあります
そのときにも少しお話しましたが　私はよく夢を見ます
幼い頃から今に至るまで　意外と記憶にも残ってたりします
夢とは浅い眠り特有の現象だそうです　寝付きが悪いんですかね
そして　そんな中で見る夢というのは
決して良い夢ばかりではありません　覚えている限りでは
俗に言う　「悪夢」という奴です
今回はその中でも　最高の夢のお話をさせてください
今でも鮮明に思い出せる　しかしこれはあくまで架空の絵空事

私は謎の空間に　立ち竦んでいました
真っ暗という訳ではない　寧ろ色とりどりな空間
でも明るいとは言えない　暗い色ばかり
黒　紫　濃青　焦茶
昏い色達が　明い虹のように広がる世界
そんな色を追おうにも　足が動かない
首や視線は動かせるのに　足は動かない
腕や指先は動かせるのに　足だけが動かない
不快な感覚のままに　ふと空を眺めると
突然赤い小粒の光が　雨のように降り注ぎました
当然防げるものもないので　手の平で防ごうとするのですがその瞬間
熱い
その一粒二粒に触れた瞬間　凄まじい熱が皮膚から痛覚へと伝わります
私の手の平から　勢いよく垂れだす赤い液体
そして私はすぐに理解しました　皮膚が溶けてる
痛い
恐ろしい痛み　言葉に詰まり叫ぶことすら憚られるほどの
これまでに感じたことのない激痛に　私は膝から崩れ落ち倒れました
当然その間も　赤い雨は止むこともなく
私の全身を　しとしとと打ち続けます
ただ強烈に熱い　ただ激烈に痛い
次々と溶け出す私の身体は　すぐに跡形も無くなりました
指もなければ腕もない　骨すらも残っていないようで
視界に広がるのは　溶けた皮膚と大量の血
かと思えば　所々青色だったり桃色だったり
血と呼ぶには　あまりにも異常なものが
私の身体だったものから　どくどくと流れ出ていました
それが視界に映った途端　私はその中で意識を失ったのです

次に目覚めると　私は現実の朝にいました
私はその前日　体調不良で仕事を休んでいて
強引に直そうと　風邪薬や睡眠薬を多めに飲み
無理やりにでも　寝ようとしていました
見た夢が夢なだけに　目覚めた私の顔は青ざめ全身は汗だく
ただそのおかげもあってか　熱は下がりその日は無事仕事に行ったのでした
今覚えば　短い夢だったかもしれません
ですが私の記憶に残るには　十分すぎるほどのものでした
この夢を見てから　もう十年近くは経とうとしていますが
未だに身体が　感覚が覚えているんです
あのときの熱　あのときの痛み
これまでのどんな怪我も　あの夢に比べれば屁でもない
そう思えるくらいには

ふとこの画像が出力されたとき
まさしく今語った夢が　私の中でフラッシュバックしました
ほんの一瞬　あのときの痛みが指先に疼いた気がして
自分が怖くなり　また最高に昂りました
忘れられない　忘れたくない忘れるものか
この画像は　私が見た最高の夢の具現です
皆さんは　夢、見ますか？