「……ねぇ、今の角度、最高に可愛かったでしょ?」

彼女が口角をきゅっと指で押さえながら、上目遣いでこちらを覗き込んできた。

「うん、すごく良いと思う。でも……ちょっとローアングルすぎない?」

「もう!分かってないなぁ。この『街角で見つけちゃった野生のクマさん感』を出すには、この角度が正解なの!」

「野生のクマさんは、そんなフリフリの白いワンピース着てないと思うけど」

「それはそれ!これはオシャレなクマさんなの!ほら、もう一回撮って。次はもっと、こう……守ってあげたくなるような、はかな~い感じで!」

「はいはい。じゃあ、そのまま動かないでね。……あ、今の表情いいよ」

「……えへへ、そうでしょ? ちなみに、この後のパンケーキ、奢ってくれるまでこのポーズやめないからね?」

「……結局、食いしん坊なクマさんなだけじゃないか」

「失礼な!これはモデルへの正当な報酬ですー!」

彼女は照れ隠しにぺろっと舌を出しながら、誰よりも楽しそうに街中を歩き出した。

呪文

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