月の女神様と黒猫XL

月の女神様と黒猫XL

夜空に浮かぶ月の女神様。
今夜は三日月。新月に向けて女神様はねむねむです。
そんな女神様のところに一匹の猫がやってきました。
黒い毛並みに金色の瞳。
おしゃれな燕尾服は夜空みたい。
「女神様、女神様。ごきげんいかが？」
猫は女神様におじぎします。
女神様は眠い目をこすりながら言いました。
「ごきげんよう、かわいい猫さん。ご用はなあに？」
猫はもじもじしながら女神様を見上げます。
「いえ、なんだか今夜の月が寂しそうだったので」
女神様はそれを聞いて首をかしげながらあたりを見回します。
いつも見慣れた星たちが、今夜もにこにこと女神様を囲んでいます。
「猫さん、猫さん。私はいつも星たちと仲良しです。だからね？大丈夫」
「でも…！」
それでも何か言いたそうな猫さんに、女神様はふと地上の様子に気づきます。
あたり一面の銀世界。
地上は真っ白に輝いています。
女神様は猫さんの、少しひんやりとしたその手をそっと包み込みました。
「ありがとう、猫さん」
女神様はにっこりと微笑みます。
「今夜は私のそばにいてくれますか？」
猫さんは嬉しそうにうなずきました。
こうして月の女神様と黒猫は、仲良くその夜を過ごしたということです。
めでたし、めでたし。

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