妹ツンデレ

使用したAI Stable Diffusion
いつも俺のことを冴えない、ダサい、女にモテないとこき下ろしてくる妹が、今日はなんだかしおらしい。
「ア、アニキ……き、今日さ、バイクに乗せれくれよ」
なんて、モジモジしながら言ってくる。コイツ、変なもんでも食ったか?
俺を足代わりに使う気だろうが、そうはいかん。
いつもはさんざん悪口言ってくるのに、利用するときだけは下手に出ようってか。
そんなのに騙されるほど、俺も甘ちゃんではない。
おまえには俺のお下がりの、6段ギア付きママチャリがお似合いだ。
「なんでそんな冷たいこと言うんだよぉ……アニキのバイクに乗りてぇんだよ」
おまえ、いつもダサいダサい言ってる男と、バイクで二穴したいのか?
「ダサいのはさ……アニキがお洒落したら、彼女できちまうじゃん……そしたらアタシ困る……」
俺は妹の額に手を当てた。予想に反して平熱だな。
「ア、アニキ! なんで急におでこさわるの……は、恥ずかしいんだけど……!」
おまえ、今日は少し、いや、かなりおかしいぞ。まるで俺のこと好きみたいじゃないか。
「す、好きに決まってるジャン!」
え、好きなの? いつから?
「初めて会ったときからずっとだよ! ずっと好きなのに、アニキぜんぜん相手してくれないからよぉ……」
俺は親の再婚時、コイツと初めて会ったときのことを思い出す。
まだ小学生だった妹は、母さんの影に隠れてこっちのことを睨んでたっけ。
そう、メチャ睨んでた、殺意を感じるほどに。
「一目でキュンってなって、ずっと見つめてただけじゃんか……」
そうだったのか、お前愛情表現下手だな。
「アニキが全然相手しれくれないから、せめて彼女ができないよう、ダサいとかモテないとか言い聞かせて、アニキの自信を奪うようにしてたんだ」
シレッと告白に混ぜて、マインドコントロールをカミングアウトしてくる妹。
「き、今日はさ、アニキに告るって決意してたんだ。
 バイクで海までツーリングして、灯台の丘行って、いいムードのとこで告るつもりでさ……。
 なのにアニキが冷たいから、へんな告白になっちまったじゃねぇか……どうしてくれるんだよ、
 これでフラれたら、アタシ死ぬよ……」
そうか、しかし残念だ! おまえとは付き合わん!
「な、な、な、なんでだよっ! アタシに死ねっていうのかよっ!」
あのな、俺に取っちゃお前は大切な妹なんだよ、生意気だけど。
家族なんだよ、よくムカつくけど。
付き合ったりしなくても、ずっと一緒なんだ、これからも。
「いや、アタシは二人きりでデートして、同じパフェつついたり、手ぇ繋いだり、あとなんかそれよりスゴいこととかしてぇんだよ! 家族じゃできないじゃんか!」
親父と母さんとおまえと俺、4人でパフェ突こうじゃないか。
「ぜってぇヤダよ! クソ、アニキがそんな事言うなら、親離婚させてやる! 赤の他人になったらチャンスあるのか!?」
まあ落ち着け、さすがに俺のせいで幸せな夫婦が破綻するのは忍びない。
とりあえず今日のところはバイクに乗っとけ。海の灯台までは連れてってやる。告白は受け付けないけどな。
「ぐすん……アタシフラれた? それともまだワンチャンあるの?」
それはおまえの今後の努力次第じゃないか?
今日は俺も急に告られてビビったが、時間をかければ育つ愛もあるかもな。
「そ、そうだよな……アニキ、童貞だもんなっ! 急にこんな可愛い子に告られたら、キョドっちまうよな!」
おまえがなぜ俺の性生活を把握している。

少し日が傾いてきて、涼しい風が吹き始めた。
たが、灯台に行くぐらいの時間はあるだろう。
ちょうど夕日を拝めるかもしれない。
俺がバイクに跨ると、妹はピョンと後ろに飛び乗って、俺の背中にギュッと抱きついてきた。
「へへっ、アニキはほんと、ツンデレだなあ!」

呪文

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